2009年05月24日

シーズン8 #33 「Week 16 5 finalists」

今週のテーマは「ザ・ラット・パック」。聞きなれない言葉だが、50s60sのアメリカショービズ界のスーパースターだったフランク・シナトラが従える一派のことらしい。ディーン・マーチン、サミー・デイヴィス・Jr、ピーター・ローフォードら当時の唄って踊れる映画スターがズラリ顔を揃えている。日本でいえば、石原軍団みたいなもんか?・・・・違うのか?
そして今週のコーチはジェイミー・フォックス。”唄って踊れる映画スター”つながりで強引に連れて来た感がある。ジャック・ブラックじゃ駄目だったのか?・・・・きっとフザケ過ぎるだろうということで却下されたに違いない。
では、ジェイミー・フォックスの唄って踊れるコーチぶりに期待しようか。

クリス・アレン・・・・「The Way You Look Tonight」(映画「スイング・タイム(有頂天時代)」主題歌)を選曲。一回目のファルセットは完全にミス。エンディングとなった二回目も相当微妙。それ以外の部分は無難にこなした。TOP12の最初の頃に、「ポップヴォーカリストとしてある意味理想的な声質」と書いたが、その声質の素晴らしさがここに来て俄然生きてきた感がある。小細工をしなくても、感情を込めるだけで聴衆が引き込まれる。感情の機微をストレートに伝えることができるのは、この曇り一つないクリアな声あってのもの。ジャジーなこの手の曲は、バラードなのに複雑なリズムやノリを内包している。バリバリのアップテンポが得意ではなさそうなクリスにとって、豊かなバリエーションを強調するのに打ってつけのジャンルなのかもしれない。ランディが言う「今まで最高の出来」とは、そういう面を含めての表現なのだと個人的に解釈した。
アリソン・イレヒタ・・・・「Someone To Watch Over Me」(映画「Oh,Kay(万事円満)」挿入歌)を選曲。ロックの声でジャジーに唄いきった。いつもの激しさだけではなく、センチメンタルな感情を十分に表現した。サイモンのいう「自信が感じられない」とは、アリソンがいつもより抑えめな感情を表現した事に対する不満なのだろうか?というか、そうとしか考えられない。今日のアリソンのパフォーマンスは、彼女に新たな引き出しを開けさせて可能性を広げた出色の出来だと思う。
マット・ジロード・・・・「My Funny Valentine」(映画「ジェントルメン・マリー・ブルーネット」挿入歌)を選曲。リハーサルの時にラで始まった唄い出しを、ジェイミーの発案でミまで下げた。♪Are you smart♪のsmartの部分で、一回目は少し音を外し、二回目はその部分と前後ともに音程が不安定になった。それ以外の箇所でもところどころ音程のズレが気になるところがあった。それがランディーのいう「出来のいい部分と不出来な部分がはっきりしている」の「不出来な部分」なのだと思う。
しかし、キーを下げたぶん声を出すのが楽になったのだろうかパフォーマンスが安定した。ジェイミーの狙いどおり、♪Stay♪を伸ばす部分がバッチリ決まった。これら出来のいい部分が与えた印象点の高さがどこまで視聴者を魅了できたか、がマットの当落を左右するだろう。
ダニー・ゴーキー・・・・「Come Rain Or Come Shine」(映画「セントルイス・ウーマン」挿入歌)を選曲。♪I'm gonna love you♪の情感溢れる唄いだしから始まって、中半後半の適所でいくつもヴォイストーンを使い分けながら、声量を徐々に上げていって圧巻のクライマックスへ。曲全体を通したメリハリの付け方が素晴らしい。
シャウトした時の声の響きや少し曇った感じがテイラーっぽいし、心にぐっと入り込むソウル系の歌心はエリオットを思わせる。シーズン5の個性派実力者二人の音楽的キャラがいい感じにブレンドされている。
アダム・ランバート・・・・「Feeling Good」(ミュージカル「The Roar of the Greasepaint The Smell of the Crowd」より)を選曲。終わった後、カーラがマジびっくり顔でポカンとしてた。♪フィーリイーーーーーーーーン♪の高音超絶ロングトーンが衝撃的。いつもの決めフェイクとは違う新たな難易度Eをここで初披露。ファイナルステージを視界に入れながら、毎週違った趣向や技を繰り出してコンペティションを始終優位に戦うアダム。来週もまた何か秘密兵器を繰り出すに違いない。

ジェイミーの独特なコーチ法が意外にも効果を挙げていた今週のベストパフォーマンスはダニー。次にインパクトのアダムと安定感のアリソンが並ぶ。いい出来でも地味な印象がぬぐえないクリスはその次の評価。
ということで、なかなかの出来ではあったが穴も多かったマットが今週の脱落者と予想する。

ところで、(少なくともシーズン5〜7までは)毎年TOP5ウィークからは一人二曲ずつ唄うのが恒例だったのだが、今年は何故か一曲ずつ。二曲をそれぞれどのように選曲して唄い分けて各々をアピールできるかが新たな課題として加わって、TOP6ウィークまでよりもさらに興味深さが増すはずだったのだが・・・・今年はTOP4かTOP3までお預けなのか?残念だ。

日本版アメリカン・アイドルで紹介されたジェイソン・チャンピオンは、日本発売元EMI Music Japanによると、”デビュー前からチャンピオン!”なのだそうだ。
それはぜんぜん意味がわからないのだが、ジェイソンの最新ヒット曲「オールウェイズ」PVを見てみたら、曲のほぼ全編にわたってエフェクト賭けまくり。一部分とかじゃなくて、ほとんど全部だ。何がやりたいだ。
DJ KAORIの衣装も中途半端にエロいし、何がやりたいんだ。
そんな私は、何が言いたいんだ。いかん。疲れてるかもしれない。いろいろ。来週までになんとか復活しよう!Yeaaaaaaaah!

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2009年05月23日

シーズン8 #32 「Week 15 results 7 > 5」

懸念していた事がとうとう起きてしまった。ある不届き者が、先日行われたAmerican Idol優勝者決定ステージの結果をコメントに書き込んでいったのだ。コメントの中に直接優勝者の名前を書いたのではないが、書き込み者の名前があるコンテスタンツを指し示していた。それとコメントの内容を合わせると優勝者が誰かわかってしまうといういやらしさ。
発見して即座にそのコメントは削除した。しかしそれまでのあいだに、このコメントを読んでしまった読者がいたら・・・・と思うと、非常に悔しい気持ちになる。この前の木曜日の出来事だった。
このブログは一見してわかるとおり、ネタバレ絶対厳禁が大前提となっている。今まで素晴らしい読者様に恵まれてきた。そんな皆様の暖かいご協力の下で、気持ちよくブログが運営できていた。相変わらずこのブログの読者様が素晴らしい事は変わりません。今回現れたたった一人の不届き者以外は、マナーと節度を持った素晴らしい読者様です。ペコリ。
とにかく、今後いっさい当ブログでネタバレが起きないようにしたい。心地よく最後までアメリカン・アイドルが楽しめるようにしたい。ということで、優勝者決定ステージが終わる6月中旬まで、当ブログでの書き込み掲載を承認制にします。(もっと早くしておくべきだった・・・・) そして今後も、何事もなかったかのようにレビューを続けます。
しかしFOX JAPAN、もう限界だよ。3週遅れで始まって後半は4週遅れになってますます遅れる今の放送スケジュールは、もう今シーズン限りにしてくれないか。エリオット効果とケリクラ人気沸騰、そしてスーザン・ボイルがメディアで盛んに報道され、アメリカン・アイドルや海外オーディション番組への世間的注目度が俄然高まってきている昨今だよ。Googleを「アメリカンアイドル」で検索すれば、雨後のタケノコのように次から次へと出てくる情報横流し系ブロガー達が我先にとアメリカでのAmerican Idol最新情報を乗っけた記事がわんさか出てくるよ。
昨年までは、Yahoo.comやAOLなどに代表される海外サイトに注意すれば、ネタバレからは回避できた。だから、デヴィッド・クック優勝の嬉しい衝撃を6月中旬でも味合うことができた。
しかし、もう無理だ。ネタバレ回避のためには、エンタメ系は国内外問わずネット鎖国の必要が出てきてしまった。
優勝者がわかってしまったら、番組から興味を失くす人がかなり出てくると思う。FOX JAPANさん、貴方たちの大好きな視聴率が、これからどんどん下がっていくんだよ。
シーズン5の時のような一週間遅れの放送でも、もう対応できない。週末放送に拘るのであれば、アメリカ現地で毎週火・水曜日(だったよね?)に行われているアメリカン・アイドルを、同じ週の週末にやってください。来シーズンからお願いします。
で、優勝決定ステージだけは、特番として半日後に放送するべき。アメリカで優勝者が決定した約一日後には、CNN Japanがアメリカン・アイドルの優勝者を報道していた。もう、そういう時代なんですよ。情報が瞬時にして誰でもどこでも伝え知ることができるネット社会なんです。時代は変わったんですよ。全視聴者が優勝者が誰かを知ってしまった後に、のうのうと優勝者決定ステージを放送するような間抜けな事は、本当にもう今後はやめてください。お願いします、FOX JAPAN様。

今回レビューする5月17日放送のresults showですが、このような特殊事態勃発のため、ふつつかながらかなりやる気を殺がれてしまった私でした。まあ、番組の内容もイマイチ盛り上がりに欠ける内容ではあったのですが・・・・わりと軽めに触れてすませてしまいます。すみません。

ジャクソンズのヒット曲「Sheke Your Body (Down To The Ground)」グループパフォーマンスをコンテスタンツに直接指導したポーラの真剣な仕事人の表情は、おとぼけ審査員になってしまった今となってはなかなか見れない貴重な映像だったのかもしれない。
そのあとにリル・ラウンズが焦らし無しのいきなり脱落告知!が少し意外だった。続いてはゲストパフォーマンスを挟んで、アヌープとアリソンがボトム入り宣告をされる。そして結局アヌープが脱落してしまう。しかし今回はジャッジズ・セーブを賭けたラスト・パフォーマンスが行われず、ボトム2が即脱落。ジャッジズ・セーブ審査対象外は、今回だけ?それとも今回からずっと?
ジャッジズ・セーブが一つのシーズンで一人のコンテスタントにつき一回だけ行われるのか?(1 judge's save by 1 contestant て事か?ジャッジズ・セーブ導入が発表された回の番組本編の中で、ライアンやサイモンの口からどう表現されていたのか全く覚えていないが)それとも一つのシーズンでたった一人のコンテスタントが一回だけジャッジズ・セーブされるのか?いったいどっちなのかについては、このブログでも意見が分かれていた。しかし現状を見るに、1シーズンの中でたった一回だけたった一人だけがジャッジズ・セーブされるということなのだろうか?次週のresults showは、このあたりにも注目して見てみたい。

さて、ディスコの大御所がゲスト登場ということで、誰が出てくるんだろうと期待していた。初めに登場したフリーダ・ペインは、はっきりいって大御所ではないだろう。というか、私は知らなかった。
次に登場したテルマ・ヒューストンは勿論知っている。「Don't Leave This Way」は全米で大ヒットしたもんなあ。しかしディスコの大御所というほどでもない。
次に登場したのがやたら地味で恰幅のいいオッサン。どう見ても普通の冴えないオッサンにしか見えない。いったい誰なんだ!?と思いながら唖然としていたら、なんと「Get Down Tonight」を唄いだした。え?これがあのKC?KC&ザ・サンシャインバンドのKC?ほんとなのか??歌も下手だし、そこらのいかれたオッサンが「俺がKCだ」と名乗り出てきただけなんじゃないのか?FOXは、まんまといっぱい喰わされたんじゃないのか?
それに、KCはそれはそれは爽やかなイケメンだったんだぞ。本当だぞ。下のビデオで、キーボードを弾きながら唄っているのがKCだぞ。



ね?



ね?

でも、他のクリップも探してみよう。



あー!!オッサン発見だ!あの冴えないオッサンは、本物のKCだったのか・・・・
というか、アメリカではかつてのビッグネームとして今現在でもライブをコンスタントに行っていそうである。ということで全米のオールドファンは、若い頃とは変わり果てたKCにもとうの昔に馴染んでいるのだろうか。だからこそオッサンKCがresults show会場に現れた途端に歓声が沸きあがったのだろう。
しかし、そもそもKC&ザ・サンシャインバンドが超特大ヒットをボカスカ打ちまくっていた頃は、日本の洋楽ファンが海外アーティストの映像を見る機会を滅多に持てなかった。KCも、確か雑誌か何かで写真を一つ二つ見たり、ラジオ関東の「全米TOP40」で湯川れいこさんが「KC男前ですよー」というのを聞いて、なるほどそうなのか・・・・と思うくらいしか情報がなかった。
そんないにしえの時代から三十余年を経て、今いきなりオッサンKCを見せられてしまった衝撃を、うまく筆舌に尽くす術を私は知らない。

大御所の後は新星の登場。昨シーズン準優勝のデヴィッド・アーチュレッタもゲストパフォーマンスした。登場した直後から、何か違和感が。なんでだろう?と思っていたら、いつもの戸惑いがない。大歓声にいつも照れ笑いしながら心細げに佇むいつものアーチュレッタがいない。が、しかし当然か。彼も今やれっきとしたプロなんだから。ヒットアルバムを引っさげてアメリカ内外をツアーで回るんだから。控えめでぶっきらぼうだった喋りも、早口で強い口調で元気にまくし立てていた。とても真面目な青年らしいので、プロとしての自覚の下に一生懸命頑張ってるんだろう。
しかしやっぱりまだ板についてないような気がした。シーズン7のコンテスタンツだったアーチュレッタに見慣れているせいかもしれないが。
フィジーさんから風邪で調子が悪かったという情報も寄せられたが、それも相まって余計に唄に集中できていなかったような印象を受けた。ステージアクションで飛び跳ねるアーチーというのにもびっくりした。唄うだけではなくて、それ以外のいろいろなパフォーマンスを習得している段階なのだろうか。いろいろ試行錯誤しながら、スターとして成長を遂げてほしい。

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2009年05月17日

シーズン8 #31 「Week 15 7 finalists」

FOX JAPANの番組表では今週放送分のタイトルが「Week 15 6 finalists」となっているが、ジャッジズ・セーブ発動で先週に引き続き7 finalistsで行われるWeek 15となったので、当ブログでは「Week 15 7 finalists」とした。
今週のテーマは「ディスコ」。リル、ダニー、マット、アヌープとソウル/R&B系なコンテスタンツが多いので、どう料理してくれるのか腕前に注目。

リル・ラウンズ・・・・「I'm Every Woman」チャカ・カーンを選曲。 黒人なのに黒人らしい細かい節回しが苦手なリルって、なんなんだろう?どこへ向かって何をするつもりなんだろう?
ビートに対してタイミングが常に後乗り気味だし、ビブラートのタイプが曲に全くマッチしていない。もっとシャープに切り返せる声と、早く細かく短い振幅のビブラートじゃないと、こういう速めのテンポでメロディーがくねりまくる曲は唄えない。
こうして唄の輪郭がガタガタになってしまうので、持ち前の声量が全く生きてこない。
クリス・アレン・・・・「She Works For The Money」ドナ・サマーを選曲。 サビのリピートで最後盛りあがる「She works hard for the money so you better treat her right 」の「right」を伸ばす部分では、若干音程が上がり切らなかった。しかしそれ以外は完璧。ミディアムテンポのナンバーに上手く感情を乗せて陰り系の持ち味を生かしてしっとりと唄った。
原曲のアレンジをがらりと変えた70sポップス風な音作りも見事に嵌った。私はこのギターカッティングの感じやアレンジの雰囲気から、70年代末に日本でヒットしたデヴィッド・キャシディーの曲を思い出した。(FM東京の視聴者リクエスト番組「ダイヤトーン・ポップスベスト10」で1位だったなあ・・・・DJのシリア・ポールは今どこで何をしているのだろう・・・・我が青春の綺麗なお姉さん)
素敵にフラットするビブラート(笑)がけっこう味があります。



ダニー・ゴーキー・・・・「September」アースウインド&ファイアーを選曲。アップテンポの曲のダニーは楽しいウキウキ感をうまくステージングするので、アースのこの曲を彼が唄うと聞いた瞬間に成功を予感できた。
大胆なアレンジが光った。曲の中盤では原曲とはほぼ関係ないフレージングを入れて、しかもそこを曲の中でいちばん盛りあげてしまった。とことん自分らしさにこだわった。
ダニーの音程はぶれる。一音一音の頭が合っていても、ケツで上がったり下がったりすることが多い。頭が上ずって入ってケツで修正したりもする。カーラが強調するほどダニーの音程が正確とは私は思わない。
しかし人間くさい温かさが持ち味のダニーにとっては、この適度な音程の不正確さがマッチしてしまう。ある程度音が外れるのが人間の歌声だから。
アリソン・・・・「Hot Stuff」ドナ・サマーを選曲。無音の後で始まった最後のフェイクでは、フラット気味に音を外してしまった。絶対音感が無いと、こういうアレンジでは仕方ないかもしれない。
声の豊かな中低音の張りとビブラートの特性が、ドナ・サマーと少し似ているようだ。それが効いて、バラード調で始まった出だしの部分がジャストフィットしていた。途中からアップテンポに変わると、いつものアリソン節になった。全体としては無難にこなしたパフォーマンスだった。
ところで、今日気づいたことがある。アリソンが、実はデヴィッド・アーチュレッタのそっくりさんだったということだ。笑った顔が実によく似ていた。アーチーが日焼けしてカツラを付けたら、絶対こうなるぞ。そのアーチュレッタが明日のゲスト。これは楽しみだ。
アダム・ランバート・・・・「If I Can't Have You」イヴォンヌ・エリマンを選曲。二週前のサイモンのように、私はスタンンディングオベーションを送りたい。
パフォーマンス前のライアンとの話の中で、「今回は感情を込める」とアダムが宣言した。そしてその通りにやってのけてしまった。軽業指的なテクニックに感情表現の機微まで加わって、磐石の歌唱力。
そして、アレンジがまた素晴らしすぎる。いや、アレンジというよりも、全く別のメロディーに作り変えていた。しかもれが素敵でかっこいい。デヴィッド・クック以上の音楽センスだと思う。
これら超ハイレベルの歌唱力と音楽センスに加えて、さらにステージアクションを含めた演出力まで備えているアダムを、”アメリカン・アイドル史上最も完成されたコンテスタント”と言ってしまいたい。
もしかしてこの男、今までわざと感情を封印してきたのか?コンンペティション中盤迄を超絶テクニックだけで乗り切って、後半戦に入ってから秘密兵器の歌心投入の作戦だったのか?まるでシーズン5のテイラー・ヒックスみたいじゃないか。テイラーは必殺技「変な動き」をコンペティション前半はずっと隠し通して、中盤に入ったあたりで初披露した途端に全米お茶の間を魅了した。同じようにアダムもシーズン全体を見据えた戦い方を意識して、今まで真の実力を温存していたのか?
全くもう脱帽だ。化け物レベルのアダムの本当の凄さに全面降伏。
マット・ジロード・・・・「Stayin' Alive」ビージーズを選曲。前回あわや脱落を経験したせいだろうか、唄い出しの最初の音から気迫100%完全燃焼。それが逆にサイモンに「君は必死すぎる」と言われてしまった。
しかし、確かにサイモンの言うとおりでもある。将来のスターとなる逸材を発掘するための番組なのだから、TOP7あたりでいっぱいいっぱいになってしまうようでは、その先が望めない。余裕ぶちかましながらここまで戦ってきたアダムとは実に好対照。
アヌープ・デサイ・・・・「Dim All The Lights」ドナ・サマーを選曲。ところどころ音程がシャープしてしまったが、発声がほとんど崩れなかった。先週今週と、パワフルな唄い方に徐々に対応してきた。まだまだ成長中ていうのが、いいよね。
ところで、音程にうるさいはずのランディーが「今日のアヌープの音程が正確だった」なんて言っていたが、いったいどうなってるんだ。

途中で気づいたが、再び審査員が全員コメントするようになってiいた。やっぱり先週の「二人コメント制」が視聴者に不評だったのだろう。一回限りで終わって、よかったよかった。それにしても今シーズンは次から次へと新ルールを作ったり壊したりで、めまぐるしい事このうえない。
で、審査員全員のコメントタイムを復活させた代わりに、番組冒頭の今週のテーマ解説部分がカットされていた。味気ないといえば味気ないが、審査員コメントをカットされるよりはマシか。

結論:審査員は三人に戻すべき

さて、ドナ・サマーが大人気だった今週のパフォーマンスNo.1はなんといってもアダム。というか、もうこの時点で優勝はアダムだと予想してしまう。ここまでやられてしまったら、他のコンテスタンツは手も足も出ない。
その次がクリス。そしてダニーとアヌープが並ぶ。ほとんど差がなくアリソンも。
ということで、今週脱落するのははリルとマットと予想する。

今週の日本版アメリカン・アイドルは、このところおとなしかったDJ KAORIが久しぶりにネタを二つも提供してくれました。
まず一つ目は、マットのパフォーマンスについて語った時に、曲名を「シー ウォークス フォア ザ マニー」と言ったこと。「ウォークス」てなんなんだよ。WORKSをウォークスて読むなよ。
そして二つ目は、アロハ・フロム☆ヘルを紹介した時の喋りが妙にスローテンポでよそよそしく、 原稿棒読み丸出しだったこと。君はAKB48か?・・・・
ある時はトットちゃん、またある時はAKB48、またまたある時は謎のニュ−ヨーカー。しかしてその実態は?
DJ KAORI、面白すぎる。

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2009年05月15日

シーズン8 #30 「Week 14 results 7 > 6 と思ったら 7 ≧ 7 〜ついにやっちまいました!」

アヌープ、リル、マットがボトム3となったが、結局ボトム1を告げられたのはマット。今までにも確か二回くらい(違ってたら、すみません)ボトム3ボトム2を経験したが、その度に彼は緊迫した表情だった。不安におののくコンテスタンツを勿体つけた言い回しできりきり舞いさせるのが芸風のライアンに、人一倍びびり症のマットがいつもいいように弄ばれていた。しかしその都度無事生還したマット。そんな、ある意味強運だった彼にも、ついにこの日がやって来てしまった。
そして恒例のラストパフォーマンスの時間だ。マットが最後の望みを託して「Have You Ever Really Loved a Woman」 をもう一度唄った。昨夜はメロディーをかなりアレンジして唄っていたが、それが審査員に不評だった。そこで今夜はメロディーをほとんどいじらずに、素直に無難に唄った。しかし力が入ったのだろう、ところどころ音が外れた。特にファルセットで音程の乱れや声割れが目立った。たしかに昨日よりはいい。しかし特別賞賛されるような出来ではない、と私は感じた。
マットが唄っている最中の審査員の動きが気になった。ポーラの”いきなり独り総立ち状態”なら毎度のお約束なのだが、今日はカーラまで付き合っていた。唄いだす前から二人とも立ち上がっている。しかもノリノリだ。「審査員の仕事をちゃんとやれ!」と心の中で叫ぶ私だった。しかしアメリカン・アイドルが誇る名物審査員どもが、この程度で済ませてくれるはずはない。続いては、アレクシスが落とされた時にさんざん私が非難した「寄り合い」シーンがまたまた登場した。ステージの方を見ながら、ヒソヒソ話のシーンを四人が演じていた。この人たち、ぜんぜん真面目に聴いちゃいない。
そんな審査員たちの怪しげな行動に構ってる場合ではないマットは、渾身で唄い終えた。そしてサイモンが言葉を掛けた。まずは「ボトム2に入ったのは何度目だ?」と言って、マットの視聴者からの人気の無さに言及した。その後に「今日のパフォーマンスもイマイチだった」と言って、マットの実力不足を指摘した。このサイモンのパフォーマンス評を聞いて、「なんだ、イマイチだってわかってるじゃん。ちゃんと聴いてるのか。ごめんなサイモン!」と心の中で謝ろうとした私の中に、米粒のように小さな奥ゆかしさが芽生えた。しかし次のサイモンの一言が、そんな私のこけおどしの善人気取りを粉々に打ち砕いた。

「グッドニュースだ」

ジャッジズ・セーブ成立。ついにパンドラの箱が開けられてしまった。もう、知らねーぞ。
今回明らかになった事がある。results showで得票最下位コンテスタンツが行う最後のパフォーマンスが、審査結果に影響しないということだ。この日のマットのパフォーマンスは、決していい出来ではなかった。不評だった昨夜のパフォーマンスの評価を覆すような力は持ち得なかった。しかしマットは救済された。「最後のパフォーマンスの内容いかんで、ジャッジズ・セーブするかしないかが決定される」というのが本当なら、マットは今日はこのまま落とされたはずだ。それがなぜか救済されてしまった。
「新ルール導入の真の狙いが、リアリティーショーとしての番組のパワーアップだ」という私の仮説は、間違ってないのかもしれない。コンテスタンツに対しては、最後に死に物狂いで唄わざる終えない状況を用意する。そうして大プレッシャーの中ではじける出色のパフォーマンスを引き出す。番組視聴者に対しては、毎週毎週最後のどんでん返しなドラマを期待させる。そうして番組への引きを強くして視聴率アップを図る。
結局、マットは極限状態の中で大したパフォーマンスを見せることなく終わってしまった。しかし、コンテスタンツが必死で唄う姿というのは、それなりに視聴者の感動を誘う場面である。どんでん返しも起きた。全米お茶の間のマット・ファンは狂喜乱舞しただろう。他のコンテスタンツのファンは、複雑な思いに駆られただろう。

さて、なぜこのタイミングでジャッジズ・セーブだったのだろう?先週でも次週でもなくて、なぜ今週だったのだろう?
と考えて、はたと気づいた。TOP5の週からは、各コンテスタンツが2曲ずつ唄う。5人なら10曲だ。
もしTOP6の週にジャッジズ・セーブを使ったらどうなるか?本来TOP5だった次の週で6人のコンテスタンツが競うことになる。6人がひとり2曲ずつ、全部で12曲唄われることになる。そうなると、放送時間内に収まらなくなることは間違いない。しかも今シーズンのTOP6ウィークは、ジャッジズ・セーブされたマットが残って7人のコンテスタンツで迎えることになった。もし次週、マット以外のコンテスタンツがボトム2になったら?そして二人ともジャッジズ・セーブされてしまったら?TOP5ウィークに7人のコンテスタンツが登場してしまう。全部で14曲唄われることになる。全部放送するのに2時間は必要だろう。
先週アダムへの審査員コメントを放送しきれなかった事を受けて、今週は審査員のコメント時間を減らして迅速に対処したFOX。生放送を時間内にきっちり収めるっていうのは、放送で食っている人間にとっては基本の基本だろうし、神経質にならざるを得ない部分。TOP5ウィークを6人以上のコンテスタンツで臨むとは、到底考えられない。
新ルールを使うなら、今週しかなかった。得票数最下位のマットがジャッジズ・セーブされたのは、番組にとっては必然だったのかもしれない。どのコンテスタンツでもよかった。今週誰かがひとり救われる予定だったのだ。
(そして・・・・もし万が一もう一度ジャッジズ・セーブが使われるとしたら、最後の最後のTOP5ウィークだろう。TOP5ウィークもTOP4ウィークも5人10曲で臨むというのなら、じゅうぶん放送できそうだ。)
と詮索好きな私は、またひとつ新たな仮説を捏造してしまいました。あくまでも仮説ですので、信じる信じないは自己責任でよろしくお願いします(笑)。

それはそれとして、とうとうやっちまったわけです。もしもマットがこの後シーズン8を優勝してしまったら、歴代のアメリカン・アイドルの優勝者に対して申し訳が立つのだろうか?シーズン6のジョーダン・スパークスを除いた過去のチャンピオンたちは皆すべて、毎週毎週の視聴者当投票の結果だけで容赦なく淘汰される厳しい戦いを凌ぎきった。そんな誇り高き栄光の勇者たちに失礼なのではないか?

サウンドトラックのほとんどの曲が大ヒットしてしまい音楽⇔映画コラボヒットの流れを強烈に引き寄せたある意味画期的な映画「フラッシュダンス」からマイケル・センベロの「Maniac」をグループパフォーマンスで唄ってくれたので個人的に相当懐かしさに浸れたことも、コンペティションを途中敗退した後の苦難の道を乗り越えて今やアメリカン・アイドルの歴代屈指のスーパースターへと成長したジェニファー・ハドソンの堂々たるステージも、ガキンチョ丸出しで如何にもだったマイリー・サイラスの「The Climb」も、今日は軽く触れて終わることにする。何しろ、ついに恐れていた事が起きてしまったのだから・・・・くわばらくわばら・・・・
その衝撃とワープアが残業続きだったのが重なり、水曜と木曜の夜の時間を少しずつ使って書いたこの記事。できれば明日推敲して金曜夜アップしたかったのだが、明日夜はプールに行ってクタクタになるので無理。ということで、今日アップしてしまいます。アップしてからボチボチ推敲でしょうがないや。相当とっちらかった文章だと思いますが、しばしのあいだご勘弁を。

日本版アメリカン・アイドルでは、なんとDJ KAORIが殊勝にもシーズン8おさらいなんてやってくれた。審査員増員、ワイルドカード、ジャッジズ・セーブの三つについて、説明していた。普通のことも、やればちゃんとできるじゃないかFOX JAPAN!もっと早くからこれをやってほしかった。番組公式情報を提供できるのは日本ではあなた方だけなんだから、ほんとこれからもしっかり頼むぜ!

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2009年05月10日

シーズン8 #29 「Week 14 7 finalists」

今週のテーマは「映画で使われた曲」。音楽が映画とタイアップするというのは、もう20年以上も前から主流となったプロモーション方法。長い歴史を持つので、選択範囲はほぼ無限大。あらゆるジャンルから無数の曲を選べるので、コンテスタンツは自由度の高い選曲が行える。
しかしこのところ、こういうアバウトなテーマが続いている。「生まれた年に流行っていた曲」「ITunesでダウンロードできる曲」そして今週の「映画で使われた曲」。選曲しやすいテーマにしてコンテスタンツの便宜を図れば、ジャストな選曲が多くなり充実したパフォーマンスが多く生み出される確立が増えそうだ。そうなれば番組も盛りあがるという狙いがあるのだろうか。
その方向性は悪くないと思うが、毎週続くとさすがに食傷気味になってくる。次回あたりは少し捻ったテーマを期待してしまう。昨シーズンのウェーバー・ウィークやニール・ダイヤモンド・ウィークみたいに、高度な選曲センスと柔軟な曲解釈力が要求されるテーマの登場を望む。デヴィッド・ボウイ・ウィーク、スティックス・ウィークとかやってくれたら面白そうだ。

と最初は思った。テーマだけ聞いた時は、コンテスタンツにとって組し易そうに感じたからだ。しかしゲストコーチの名前を知らされて印象が半転。なんと映画監督のクエンティン・タランティーノ。鬼才にして怪人にして希代のヒットメーカー映画職人が、コンテスタンツに手取り足取り口を出す。いくら自らの作品で毎回抜群のBGM選曲のセンスを披露するとはいえ、映画人のゲストコーチ起用はなかなか思いきったアイディアだ。
と思いきや、タランティーノには過去にAmerican Idol シーズン3でゲスト審査員として出演した経験があった。そして独特な切り口と辛らつなコメントを連発して、コンテスタンツを右往左往させた。これは一筋縄では収まらないぞ・・・・

もうひとつ。今週から、「コンテスタンツ一人に付き審査員二人だけがコメントする」というシステムに変更された。先週の番組放送時間切れ事件に端を発した改変である。昨シーズンよりも審査員が一人増えて四人になった。それで審査員のコメントタイムがコンテスタンツのパフォーマンス時間を圧迫する事態を引き起こしてしまったのが今回問題視されたわけだ。三人のままでよかったのに・・・・
しかしこれは、最初から危惧されていた事だと思う。私も今シーズン開始当初に、コメント欄か何かにソロッと書いたような記憶がある。私が気づくくらいだから、当然巷ではさんざん囁かれていたに違いない。
「下降中の番組視聴率の再アップ」という至上命題に尻を叩かれながら、審査員増員&ワイルドカード再導入で始まった今シーズン。TOP12突入直前に新ルールのジャッジズ・セーブが追加され、さらにTOP12の予定が掟破りのTOP13で本ラウンド開始。そしてここでまた新たなるルール変更。
しかしこのルール変更には、好ましい面もある。毎回サイモンがコメントを言わなくなったことだ。思い切りよく発される彼の言葉は不思議な説得力を持ち、視聴者への影響力が強い。サイモンのコメント数が減るということは、それだけ視聴者はサイモンにつられずに自分自身の判断で審査する機会が与えられたということにもなる。本来あるべき視聴者投票の姿に少し近づいたのかもしれない。
一方で、二人コメント制の好ましくない点、それもやっぱりサイモンのコメントが毎回聞けないことだ。サイモンが何を言うのか毎回興味深々だ。彼のコメントは番組の大きな見所のひとつだと思う。そんな私みたいな視聴者も多いのではないだろうか。
個人的には楽しみが減ってしまった、と言わざるを得ない。だから、やっぱり審査員三人制に戻してほしい。

アリソン・・・・「I Don't Want To Miss A Thing」 エアロスミスを選曲。妙に印象に残る動作のタランティーノなので、リハーサル風景にいつもとは違うインパクトが加わった。気難しい形相のタランティーノに目の前で座られたら余計に唄いにくそうだ。
本番のパフォーマンスは、キーが低すぎるためにところどころ音程が乱れる部分が少し気になった。サビがリピートする前に展開していくブリッジの部分で特に目立った。曲中クライマックスとなる部分で最高域の音をきちんと出すために、曲のキーをギリギリ低く設定したと思われる。若干音域を広く使いすぎてしまったように思う。
しかしそれでも声の存在感は相変わらず素晴らしかったので、悪い印象は残らない。
アヌープ・ディサイ・・・・「I Do It For You」 ブライアン・アダムスを選曲。タランティーノのアドバイスはめちゃくちゃだ。それを全く無視して唄ったアヌープに勝利の女神が微笑んだ。何よりもトーンのコントロールが素晴らしかった。曲中半で微妙に音程がシャープする箇所が感じられたが、後半最も盛りあがる♪Die for you♪の部分などは息をも呑む美しさ。さすが「静」のアヌープだ。
アダム・ランバート・・・・「Born To Be Wild」 ステッペンウルフを選曲。TOP13が始まって間もない頃はただただ驚愕だった超絶高音に、耳が慣れてしまったのか聴いてもびっくりしなくなった。最後の恒例スーパー音域フェイクも、毎回同じパターンで同じような音域を使って同じようなフレーズを繰り出している感がある。選曲にもよるのかもしれないが、ワンパターンになってきた面は否めないと思う。
マット・ジラウド・・・・「Have You Ever Really Loved a Woman」 ブライアン・アダムスを選曲。この曲をどういうふうに唄うのかと思ったら、またロックやっちまったよ・・・・彼のファルセットはロックを唄えるほどパワフルではないってだけではなくて、声そのものが向いているとはいえない。そのことに気づくべきだ。
それにしても終始音程がふら付いていたし、いったいどうしたのだろう?結構出来不出来の差が激しいタイプのシンガーなのかもしれない。集中力にムラがあるのだろうか?
ダニー・ゴーキー・・・・「Endless Love」 ダイアナ・ロス&ライオネル・リッチーを選曲。「Hero」もそうだったけど、ダニーはこういうバラードがとにかくうまい。そして今回は感情を実に見事に乗せきった。最後の盛り上がりが圧巻。少し涙ぐんでしまった。
サイモンがコメントの中でデヴィッド・クックを引き合いに出して、ダニーの新味の無さを批判していた。しかし、ダニーはクックというよりもむしろアーチュレッタ(←強いて言えばです)。心を揺さぶってナンボのシンガーだと思うので、ことさらに新しさを求める必要はないと私は考える。
クリス・アレン・・・・「Falling Slowly」 Glen Hansard (of The Frames) & Marketa Irglovaを選曲。ランディのコメントに同意。弱く唄い出す前半部分でかなり音程が不安定だった。ファルセットの時に音程が少しずれるのは毎回なのだが、それでも他の部分に圧倒されるパフォーマンスがこのところ続いていた。しかし今回は不安定な箇所が多すぎたかもしれない。
それと、曲が合わないような気もする。映画「Once ダブリンの街角で」の中で流れたこの曲には、ハッとするような美しさがあった。しかしメロディー自体はかなり単純で、これを表情豊かに唄いこなすのはかなり難しいかもしれない。また、クリスよりももっとロックぽい、鋭いエッジを持った声のシンガーの方が似合いそうな曲でもある。
リル・ラウンズ・・・・「Rose」 ベット・ミドラーを選曲。最初から最後まで音程が乱れっぱなし。ゴスペルチックにパワフルに唄う部分では安定しているのだが、力を抜いてそっと唄う部分になると急にピッチが踊りだしてしまう。
前回カーラに「低音に迫力が無い」と言われてしまった。それで今回リルはゴスペル調のアレンジで中低音を響かせて(ことさらに)力強く唄ったのだと思う。その部分は成功した。
しかしそこに気持ちが持っていかれてしまったのだろうか?高音を綺麗に響かせてソフトに唄う部分では、音程や発声が不安定になってしまった。二つの異なった唱法の切り替えを、スムーズに行えなくなってしまったようだ。
選曲はもちろん、歌唱法からアレンジまで全てをリルは考えに考え抜いたのだと思う。それにもかかわらず、サイモンにまたも「選曲が・・・・」と全く同じ内容の酷評を受けた。これにはさすがにリルがぶち切れてしまったようだ。真顔でサイモンに言い返した後に、涙をこらえる場面まで見られた。気の毒だった。
迷路に迷い込んでしまった。混乱して、全てが裏目に出てしまっている。

今週はゲストコーチが限りなく微妙だったので、選曲や曲解釈のセンスを含めたコンテスタンツの総合力が問われる回となってしまった。その中で輝きを見せたのが、ダニーとアヌープ。次が安定感のあるアリソンと技術的に全くそつのないアダム。ボトム3はクリス、マット、リルだと思う。そして得票数最下位は先週に引き続きリルと予想する。リル、ごめんなさい。

今週の日本版アメリカン・アイドルのゲストはFM TOKYO のパーソナリティー藤丸由華さん。最近地味なゲストが多くなってきたが、これはこれでいいかもしれない。本編が終わったあとは、その余韻を味わう時間にするべき。過剰な演出はいらない。この先番組はいよいよ佳境に入っていくので、なおさら膨らむ余韻を邪魔しない番組構成が視聴者に歓迎されるだろう。

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2009年05月05日

シーズン8 #28 「Week 13 results 8 > 7〜これが新ルールの威力だ!」

昨日のテーマが「生まれた年に流行っていた曲」ということで、サイモンが生まれた年に大ヒットした曲のミュージックビデオが流れた。だけど、馴染みのない顔と馴染みのない声。誰だこのオッサンは?シナトラじゃないし、、ビング・クロスビーじゃないし、ポール・アンカでもニール・セダカでもない。
ビデオが流れた後に今現在の本人が登場した。そしたら今度は尚更わからない。すっかり年老いているから、顔を見てもイメージがぜんぜん沸かない。生唄を披露しているがあんまりうまくないし、歌手じゃないのかなあ・・・・と思ってしまった。首を傾げているうちにパフォーマンスが終了した。そしてここでようやく往年のスターと思しき人物の名前が紹介された。この人がフランキー・アヴァロンだったのか。
といっても、私はほとんど名前しか知らない。唄っていた曲は1959年の全米No.1ヒット「Venus」だった。日本でいえば、フランク永井、三橋美智也、春日八郎、三波春夫が出てくるようなもんか。なるほどそのような年代なら、フランキーがまともに唄えなくてあたりまえだ。
しかし上で挙げた日本人スターは全て故人。同時期に活躍して未だ健在な小林旭のように、他にもまだ今日も在命な1959年のスターはいないか?と思って調べたら、ペギー葉山、ザ・ピーナッツ、こまどり姉妹。みんな女性だった。女の方が生命力が強いっていうのは、本当に本当なのだ。

その生命力の強さで復活した(←というほどの年ではないが)かつての女性アイドル歌手カイリー・ミノーグの大ヒット曲「Can't Get You Out Of My Head」がコンテスタンツ全員で唄われた後に、前回放送時に時間切れでカットされてしまった審査員のアダム評について言及される時間があった。昨日スタンディングオベーションで手放しに絶賛の意を表明したサイモン以外の3人、カーラ、ポーラ、ランディの口からそれぞれ寸評が述べられた。そしたら、みんなベタ誉め。気持ち悪いくらいな絶賛の嵐。ここまでアダムに毎回注文をつけている私は、狐につままれた感じだった。
特定のコンテスタンツに視聴者の人気が集中した場合に、番組サイドがそのコンテスタンツをプッシュするっていうケースはちょくちょくある。最も得票数を得たコンテスタンツ=最も人気があったコンテスタンツが優勝するこの番組のシステムを考えると、もしも番組サイドが批判的だったコンテスタンツが優勝した場合に制作側のメンツが立たなくなってしまうからだ。
前シーズンの決勝ステージで、アーチュレッタと優勝を争っていたデヴィッド・クックのパフォーマンスにあまり冴えが感じられず、最後の曲でもやたらに地味な選曲をしてしまった。パフォーマンス後に両者のパフォーマンスを総評したサイモンは、「(完璧なパフォーマンスをした)アーチュレッタはここに勝つためにやって来た。」と発言した。これは、暗にクックが勝負を捨てた事への手厳しく批判でもあった。そしてアーチュレッタの優勝宣言まで出してしまった。しかし結果は、デヴィッド・クックの逆転優勝。その結果発表の直前に、サイモンが異例の批判撤回コメントを出した。「家に帰って改めて見直したら、昨夜のクックのパフォーマンスは私が言ったほど悪くなかった。明らかに言いすぎた。謝る。」という感じの内容だった。
iTunesで今シーズンコンテスタンツによるカバー楽曲ダウンロードも始まっているので、その売れ行きを見ればどのコンテスタンツに人気があるのか一目瞭然。私はダウンロードチャートを見てないのでなんとも言えないが、アダムのMP3が断トツで人気がある可能性は高い。そしてその場合は「優勝するのはアダム」と番組は読むかもしれない。それゆえのあからさまな大絶賛の嵐だったとしたら、ちょっと萎える。
いやいや、単純に私がアダムの声をイマイチ受けつけないだけなのかもしれないので、そこらへんはなんとも言えないが。

さて、注目のボトム3発表は、アヌープ、スコット、リルとなってしまった。リルとスコットは予想どおり。アヌープは、まずますの出来だった昨日のパフォーマンスでのボトム3入りというのががなかなか辛いところ。この中で最初に戻されるのはアヌープかスコットだろうと思っていたが、先に脱出したのはリル。これは少し意外だった。そして残されたのがアヌープとスコット。まさかスコットが得票数最下位か?・・・・と思ったら、本当にそうなってしまった。
キリスト教社会におけるハンディキャッパーへの慈愛精神を考えると、アメリカ視聴者のスコットに対する支持は根強いものがあるのではないかと予測していた。しかし、現実はもっとシビアだった。
今回のスコットのパフォーマンス不評の原因ははっきりしていた。選曲と戦略を間違えてしまったことだった。これらさえ修正すれば、この先コンペティションを勝ち抜くポテンシャルをスコットが備えているのは明白だった。今シーズンも中盤に差し掛かったあたりだが、早くもジャッジズ・セーブの期待さえ抱かずにおられない場面に遭遇した。サイモンも、スコットが救われる可能性が十分あることをほのめかした。果たしてジョーカーは切られるのだろうか?
スコットのラストパフォーマンスが始まった。ギターを持たずにステージ中央に立っていた。完璧な唄い出しだった。前半は全く文句ない最高の出来。サビに入る手前で力んだのか一箇所発声が崩れた。サビに入った後にも一箇所裏声で音を外してしまった。二回だけミスをした。それ以外はほぼ完璧だった。何よりも前半が素晴らしすぎた。
パフォーマンス終了後にサイモンが言った。「二対二で意見が真っぷたつに割れている。」
ということは、状況は厳しい。審査員4人ともに全員一致しないとジャッジズ・セーブが発動できないのだ。二対二では無理。
サイモンが言っていた。「他のコンテスタンツの力量との兼ね合いを考慮しなくてはならないので、なかなか結論しづらい」
それは全くの正論であり事実だ。しかし、たとえばリルやアヌープと力量を比較するなら、スコットは救われて然るべきだと思う。
しかし、やっぱりジョーカーは簡単に切れない。視聴者投票結果を公然と覆してしまうのは、できるなら番組としてはやりたくない。公正性を台無しにしてしまうリスクが大きすぎるからだ。
と、かねてから私が思うとおりの結果になってしまった。スコット救済されず。しかたないんだ、スコット。君はよく頑張った。
「新ルールが導入された真の目的は、リアリティーショーとして番組を盛り上げるためなのではないだろうか」と以前に私は書いた。そして今回、実際にその効果を目の当たりにした。”審査員全員一致でなければスコットは救われない。しかしそれでも、スコットならもしかしたら・・・・”という心情が私の中に湧き上がっていた。最後の審判となるサイモンの審査結果発表の場面では、固唾を呑んだ。
これが新ルールの威力だった。

それにしてもスコットは前向きで気丈な青年だ。昨夜のパフォーマンス後の審査員とのやり取りで

審査員: 「スコット、なんでよりによってエレキギターを持ったんだい?」
スコット: 「僕のパンクサイドを見せたんだ」
審査員: 「パンクサイド・・・・(苦笑い)」

私も聞いていて、なんという寒い冗談を言ってるんだスコット・・・・と思ってしまった。しかしこれも、実はスコットのポジティブさを示すエピソードなんだって思う。ハンディキャップがあるから、普通に暮らすのにもいちいち障害が付きまとう。それを日夜あたりまえのように克服してきたスコット。そして選び抜かれた人たちしか踏めないステージに立って、厳しい戦いをここまで勝ち抜いてきた。ただでさえタフな神経が必要なのに、ハンディキャッパーなら尚更だ。これからもその折れない心で、スコットは人生に真っ向から立ち向かうだろう。そしてアメリカン・アイドルを通じてスコットという存在を知ったアメリカ国民が、これからもずっと彼を暖かく見守り応援してくれるだろう。

今日のゲストパフォーマンス一人目は「Right Round」を唄ったフロー・ライダー。この曲のオリジナルであるデッド・オア・アライブの「You Spin Me Round」が大ヒットしたのが、もう今から20年以上も前になってしまったのか。
その後、この曲は何度もカバーされているので、今さらここでオリジナルを紹介するのが少し恥ずかしくもある。しかし当時としてはかなり衝撃的なヴィジュアル+妙に本格的な歌唱力+これでもかというくらいに完璧なヒット性の強い楽曲で一世を風靡したこの曲を、私は貼り付けずにおれないのだった。



そしてゲストパフォーマンス二人目は、「Best Days Of Your Life」を唄ったシーズン5第6位のケリー・ピックラー。相変わらず突っ込みどころ満載のヴォーカルパフォーマンスだった。このアバウトさが全然変わってねー(笑)
シーズン5を見てない人たちは「なんじゃこりゃ?なんでこんなのがアルバム2枚もリリースしてしかも大ヒットしてるの?」と思うでしょう。これだけ見ればそのとおり。しかしこのケリー、やる時はちゃんとやる。ピカイチな声質とここ一番での勝負強さと類まれなるキャラクターがあれば、完璧な歌唱力がなくてもスターになれるという良い実例といえる。

ところで日本版アメリカン・アイドルのナヴィゲーターDJ KAORI、このところおとなしすぎてつまらない。もっと何かやらかしてほしい。かつてのド派手なボケを懐かしんでしまう私であった。

*シクラメンさん、小林旭に関するご指摘どうもありがとうございます!いやはや、なんという勘違い。勝手に殺しちゃあいけませんよね。DJ KAORIがすっかり霞んでしまうほど強烈なボケを炸裂させてしまいました(汗)

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2009年05月03日

シーズン8 #27 「Week 13 8 finalists」

今日のテーマは「自分が生まれた年の曲」。そして今回すべての曲が80年代のヒット曲。2009年に行われるシーズンだから、当然っちゃあ当然。出場資格年齢ギリギリでも1980年生まれっていうことになるわけだ。私なんかは余裕で聞き流せるのだが、「80年代生まれ」にやけに反応していたDJ KAORIは本当にいったいいくつなんだろう?「実は本物の黒柳徹子かもしれない」とこのあいだ何気なく書いた私のジョークが、ここに来てがぜん信憑性を帯びてきた。

帯びてねーよ!

と突っ込みながらゴールデンウィークを折り返すハッピーホリデーな貴方ですか?

ダニー・ゴーキー・・・・1980年から「Stand By Me」 ジョン・レノンを選曲。出だしで音程がふらついたが、その後は持ち直した。後半の盛り上がりがかなり秀逸。80sブラコン+クロスオーバーっぽいマイルド仕上げが、意外にも心地よく嵌っていた。ジョン・レノンならロックだが、オリジナルのベン・E・キングならR&B。ダニーの選択はそのどちらでもなかった。(強いて言えばオリジナル寄りか) 大胆といっていいアレンジを施して、原曲とは違うイメージを与えた。独創性をアピールしたのが好印象。
クリス・アレン・・・・1985年から「All She Wants To Do Is Dance」ドン・ヘンリーを選曲。元々がアレンジで落とすタイプの楽曲で、メロディーの担う重要性が比較的低い。したがってヴォーカルはクールに唄うべき曲。感情を深く投入できることが持ち味のクリスにとっては、良さを殺してしまう選曲となってしまった。かといって、すこぶる出来が悪いというわけではない。音を外してるわけでもタイミングがずれてるわけでもない。とにかく印象が薄かった。
リル・ラウンズ・・・・1984年から「What's Love Got To Do With It」ティナ・ターナーを選曲。ソウルとロックを橋渡ししたパイオニアの一人であり、パワフルかつダイナミックな熱唱で70s〜80sのソウルミュージック界にきらめく金字塔を打ち立てたティナ・ターナーの代表曲のひとつ。シャープに歯ぎれよく唄わなくては様にならない曲だが、ブレスを細かく分けた歯切れよい歌唱はリルの苦手とするところ。サビの後半で同じフレースが忙しくリフレインする部分などは、息切れしてしまっていた。
過去に「Heat Wave」でその弱点を晒してしまったのに、同じ間違いを再び犯してしまったというのはいったいどういうことだろう?選曲にはすごく慎重になっているはずなのに・・・・
先週は審査員のアドバイスを参考にしながら時間を掛けて選曲したバラードナンバーが、「古臭い」と逆に審査員に不評だった。それで今週は、正反対にビートの利いたシャープな唄い回しが要求される曲を選んでしまったという事なのだろうか?審査員のアドバイスをじっくり消化できずに、ドツボにはまってるような気がする。何か焦っているみたいな。
「ポップ寄りのソウル系バラードシンガー」というのが、このところ露になってきたリルの特性だと思う。今回も正にその特性どおりの内容となってしまった。カーラが「低音の迫力が足りない」と表現していたのは、それに近い意味だと思う。しかし、リルは前からこんなに軽い質感の声だったっけ?もしかしたら必要以上に綺麗に唄おうとしているのだろうか?
とにかく迷走中。
アヌープ・・・・1986年から「True Colors」 シンディー・ローパーを選曲。デヴィッド・アーチュレッタばりのフレージングの上手さが光った前半は、彼の真骨頂で文句なし。しかし軽いビートが入って観客の手拍子が始まったあたりからからは、徐々に力が入りすぎてしまった。そのせいで声を張り上げすぎて、若干発声が崩れる箇所が多くなってしまった。それでも静かな前半にアヌープの魅力が凝縮されていたので、パフォーマンスの印象としては悪くないと思う。
スコット・マッキンタイア・・・・1985年から「The Search Is Over」 サバイバーを選曲。カーラ、ポーラ、サイモンがそれぞれ的確な意見を言っていたように思う。ソロを取れないのにエレキギターを弾くのは、アクセサリーっぽくてかっこ悪いのでやるべきではない。しかしそれよりも、慣れないギターを持って唄ったために、歌に集中できずに発声の崩れやブレが目立った。ポーラが「金切り声」と評していたのが、それ。
ピアノ弾きは決して鍵盤から離れてはいけない。ビリー・ジョエルを見よ。エルトン・ジョンを見よ。ピアノ以外の楽器を弾いてステージに立ったのを見たことがあるだろうか?スティーヴィー・ワンダーなんかドラムスもベースも普通にうまく演奏できるのに、ステージでは鍵盤かもうひとつのトレードマークのハーモニカしか弾かない(あ、ビリーにも「ピアノマン」での一芸ハーモニカがあったっけ)。ピアノ弾きは基本ピアノだけを弾いてほしい。ピアノ一本でどんなスタイルの音楽も表現できるまで極めてほしい。それが一番かっこいいんだから。
ということを、スコットに誰かアドバイスしてあげてほしい。頼むぜ!
アリソン・・・・1992年から「I Can Make You Love Me」 ジョージ・マイケルを選曲。原曲のどこまでも澄んだヴォーカルのイメージと優しい曲調を踏襲するかのように、いつもの激しさを引っ込めて抑えた唄い方にほぼ終始した。結果、これが今っぽい力抜けすぎR&Bなイメージを醸し出したのだろう。審査員受けはすこぶる良好。確かにバランスが良かった。
アリソンの本格派ブルージーロックな渋い味わいはどちらかといえば古めなテイスト。その渋め成分を適度にコントロールして、今っぽさを演出した。そしてそれがわざとらしくならないのが、彼女の若さの成せる業。
でも、私は逆に食い足りなかった。好みの違いだ。
マット・ジラウド・・・1985年から「Part Time Lover」 スティーヴィー・ワンダーを選曲。原曲のテンポを落として、マット得意のネオR&Bフェイクを縦横無尽に繰り出した。この路線で正解。
もう、愛しのロックにはきっぱりと別れを告げてくれ。君を幸せにできるのはR&Bだけだ。「好きになるより好かれろ」が長続きの秘訣だ。
と、長続きしない私が言っても何の説得力も無いのであった。
アダム・ランバート・・・・1982年から「Mad World」 ティアーズ・フォー・フィアーズを選曲。曲のタイトルを聞いた時に、メランコリーな曲調がアダムに合いそうなので期待したのだが・・・・最後のロングトーンを大きくシャープさせていたのをはじめ、今日は珍しく音程が高めにふらつく場面が多かった。調子が悪かったのだろうか?
それよりも、今回はアダムの計算されつくした演出力に脱帽。照明を落とした中を頭上から降り注ぐスポットライトが、まるで天上から差し込む神々しい光を思わせる。その光の白さが衣装の白い部分に反射してアダムのシルエット全体を光が包み込む。椅子に座った時の姿勢や足を開く角度、唄う時の表情と陰影、何から何までを絵的に計算しているとしか思えないほど抜群のヴィジュアルを造り上げていた。
ミュージカル俳優のアダムだが、パフォーマンスの中で自分自身を演出する舞台監督としての才能も発揮していたように思う。
唄だけを聴くとジーンと来ないが、ステージとして見た時に心をゆらっとさせられる。それがアダムの才能なのだろうか。
逆にそう考えないと、サイモンのスタンディングオベーションが私には理解不可能になってしまう。

今日は傑出したパフォーマンスこそ見られなかったが、おしなべてレベルが高かった。その中でもマットとアダムのステージを最上位に取りたい。その次にアリソンとダニーが並ぶ。そしてアヌープ。クリスは印象こそ希薄だったが、歌唱のレベル的にはいつもの安定感を失っていない。
そして残されたリルとスコット、さてどちらが最下位なのだろうか?・・・・今回粗をいっぱい感じたのはスコット。ただし彼には次回また巻き返してくれそうな期待が持てる。(ギターをやめればいいだけの話でもあるし) 一方リルには、歌手としての弱点が週を追うごとに露になってきてしまった。何か期待が尻すぼみに・・・・そんな印象を持った視聴者が多いのではないだろうか。ということで、得票数最下位はリルだと思う。

今週の日本版アメリカン・アイドルのゲストはバブルガムブラザース。懐かしい。♪オレオレオレオ/ヤレヤレヤレヤ♪とカラオケで唄って暴れてアホばかりやってた若い頃を思い出す。
そして、急にオレオが食いたくなってきてしまった。買って来るぜ。

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2009年04月29日

シーズン8 #26 「Week 12 results 9 > 8」〜とうとう俺のミーガンが・・・・

ボトム3の席へ二人目に呼ばれたのがアリソンだったのはとても意外だったが、最初に呼ばれたミーガンは仕方ないかなと思った。三人目のアヌープも他のコンテスタンツとの比較を考えると、当然ともいえた。
で、やっぱり最初に戻されたのがアリソン。残った二人はミーガンとアヌープ。そして得票数最下位を告げられたのはミーガンだった。
さて彼女は救われるのか、それとも救われないのか?ここでいきなりサイモンが、「君を救うつもりはない」の発言。「(サイモンの意見は)ぜんぜん気にしてない」というミーガンの言葉が原因だ、とサイモンは言っていた。確かにそれもあるんだろうけど、何よりもミーガンがここまで全く成長を見せなかった事が審査員を落胆させたという面が大きいだろう。というか、私もとことん落胆した。
パフォーマンス評で毎回書いていたように、ミーガンは基本的な発声が出来上がっていなかった。この時点で、基本がほぼ完成している多くのライバルたちとは完全に水を開けられていた。さらに、その足りない部分を補おう修復しようという前向きな姿勢がほとんど全く感じられなかった。
地方予選でミーガンを初めて目にした時、おそらく多くの視聴者が彼女の出現に目をパチクリさせたのではなかっただろうか。現代性を感じさせる独特の個性を持った声質とちょっと変わった発声法。しかも美形。サムシングニューな超新星が現れた!と少なからぬ衝撃を受けたに違いない。
「もっとミーガンの唄を聴きたい!」と期待を膨らませながら、続く登場ラウンドとなったハリウッド予選ではミーガンの歌唱シーンは全てカット(だったよね?私はそのように記憶しています)。出し惜しみかよ!と突っ込みながらさんざん焦らされてから、ようやくTOP36ステージ第二週目に登場。地方予選で一度きりしか見ていないミーガンへの期待が高まりきったところで、彼女のアメリカン・アイドルにおける初ステージがお披露目された。そのパフォーマンスはサイモン以外の審査員が謎の絶賛。私の期待は見事にすかされた。マイクが全く使えてなかったので歌唱力に関しては判断材料不足で様子見、ミーガンのオーラだけが際立っていたシテージだった。続く二回目の登場はワイルドカードでのパフォーマンス。こんどはスタンドマイクを使うなどマイクパフォーマンスは改善されたが、肝心のヴォーカルパフォーマンスで弱点をさらけ出した。それも基本的な発声訓練不足。「ところどころで基本的な歌唱力不足を露呈していた。しかしそれ以上に、なにか普通のよくある発声になってしまっていた。地区予選で見せた一風変わったオリジナルな発声法のインパクトがどこかへ消えてしまった。」と私はこのパフォーマンスを評した。アメリカン・アイドルはラウンドが進むに連れて、コーチやスタッフからいろいろ改善策を指導される。そんな中でミーガンが戸惑ってしまいインストラクションを消化しきれず、本来の自分を見失う部分もあったのかもしれない。
あの地方予選の鮮烈な印象はなんだったのだろう?アカペラでしかもマイクから遠く離れて唄う地方予選は、ハリウッド予選や本選とは声の収録方法が違う。だから声も違って聴こえるので、一概には言えない。しかしそれにしても印象が違いすぎる。オリジナリティに長けた期待の新星から全くの期待圏外へと転落。もしかしたら地方予選で見せたミーガンのパフォーマンスが、彼女の生涯最高傑作だったのかもしれない・・・・なんて思いたくなってしまう。

サイモンに「救う気はないよ」と云われて少し憮然とした表情を見せた後で、一転して屈託のない顔ではじけたミーガン。ラストパフォーマンス中は、審査員席の前でノリノリ状態。その後は観客席の最前列から目と鼻の距離で楽しそうに唄って踊る。開き直ったのか?それとも心底楽しいのか?スター気取りでチヤホヤされるのに満足してしまっているようにも思えてしまった。
パフォーマンス終了後に流れたミーガン回想ビデオでは、「何をやってもうまくいかなかった」という本人の言葉が聞けた。幼い頃から容姿端麗だったミーガン。審査員一同が惚れ込む声質とパーソナリティーを持っていたミーガン。素材としては誰もが認める一級品。本人の努力次第では、とっくにスターへの階段を駆け上がっていたのではないか。しかし向上心や強い熱意が全くといっていいほど感じられなかったし、そういう彼女であり続けたからこその基本的歌唱力不足だった。有り余る素質を持っていても、それを磨く苦労を怠れば何の意味もない。巷でよく言われる「努力し続けるのも、ひとつの才能」という言葉の真実性を、これほど見事に裏付けてしまうコンテスタンツも初めてかもしれない。ミーガン本人は「何をやってもうまくいかなかった」と言うが、実際は「何もかも真面目に取り組まなかったから、うまくいかなかった」のではないのだろうか。

そんな事を考えた後に、自分自身をも振り返ってしまった。有り余る素質も無いうえに努力しない私は、とことんダメじゃないか!
まずは今後の人生を無事に生き抜くために、体力づくりから始めねば!ということで、昨夜は近くの運動公園を少し走った。また水泳も始めようかなあ。

怠っていたといえば、「Come Back To Me」を唄ってゲストパフォーマンス一人目として登場した昨シーズンの優勝者ディッド・クック。私はアルバム聴いてもレビュー書いてないし、オフシーズン企画として始めた「喫茶デヴィッド・クック」も二回目の更新を最後に途絶えているし・・・・だめだめだなあ・・・・
そしてゲストパフォーマンス二人目は「Poker Face」を唄ったレディー・ガガ。私はこの女性のメイクやファッションを見て、80s前半に活躍したミッシングパーソンズのヴォーカルを思い出さずにいられなかった。



さて、昨日放送分から日本版アメリカン・アイドルがちょいと模様替え。ナヴィゲーターDJ KAORIの背景がスタジオセットからCGに変わった。カオリン自身も色調補正されてデジタル仕上げ。
「KAORIチョイス」というミニコーナーも始まったらしくて、第一回目は以前日本版ゲストとしても登場した人気者ティニーシャ・ケリー。「Shuttered」PVが流された。
そして番組の締めは勿論DJ KAORIのカタカナ英語。今さら引っ込みが付かないだろうから、このまま謎のニューヨーカーとして仕事を全うしてほしい。アメリカン・アイドル本選からセクシー美女系が全滅してしまっただけに、ここでカオリンのお色気復活もグッドタイミングだろう。
ということで来週からDJ KAORIの胸のあたりに注目しよう!と星空に誓う私だった。

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2009年04月26日

シーズン8 #25 「Week 12 9 finalists」

今週のテーマはiTunes ダウンロード人気曲。新しい曲でも古い曲でも、チャートインしていればなんでも唄えるわけだ。
番組冒頭で、コンテスタンツ一同がアメリカン・トップ40のスタジオ見学した模様が流された。私にとってはあまりに懐かしさを呼び起こす光景。毎週土曜日午後になるとFENでケーシー・ケイスンの名調子とともにオンエアされていた「アメリカン・トップ40」に、当時高校生だった私は学校から大急ぎで帰って来ては噛り付いていた。そして夜になるとラジオ関東(現在のラジオ日本)で日本版「全米TOP40」が湯川れいこさんの進行で放送されていた。週末は昼も夜も「全米TOP40」一色だった。いわゆるひとつの青春の1ページだった。湯川れいこさん、お元気ですかー!

アヌープ・・・・「Cauyght Up」 アッシャーを選曲。アッシャーというよりも、ジャーメイン・ジャクソンやビリー・オーシャンみたいな80年代ブラックコンテンポラリーっぽさを感じる歌唱。若者らしい新しさが感じられなかった。先週先々週のバラードで持ち味が出ていたし、この人は若さに似合わずgood Old Daysな個性なのかもしれない。決して悪いパフォーマンスとは思わないが、すこぶるインパクトに欠けた印象。
ミーガン・・・・「Turn Your Lights Down Low」 ローレン・ヒルを選曲。力を抜きすぎてまるで適当に唄っていた。ミーガンのように基本ができていないシンガーは、力を抜いて唄う事を薦められる場合がある。必要な筋肉を的確に使って唄う術を習得できるからだ。しかしそれはあくまでも練習段階で行うべきこと。基本練習とコンペティションへの対応を同時に行わなくてはならない状況が、今回ミーガンにこのようにヘナヘナな歌を唄わせてしまったのかもしれない。
ダニー・・・・「What Hurt The Most」 ラスカル・フラッツを選曲。うまく唄いこなしたと思うが、インパクトを感じなかった。ひとつには、ピーター・ガブリエルをイメージさせすぎる声にあるのだろうか。こういう曲調だとなおさら似て聴こえてしまった。サイモンはダニーの過去最高パフォーマンスといっていたが、私には先週先々週の方が断然に良い印象だった。
アリソン・・・・「Don't Speak」 ノーダウトを選曲。慣れないギターを弾きながら唄っているせいか、ところどころ音程がふらついていた。しかしどっしりとした存在感のある歌声のステディな佇まいは微塵も崩れない。ジャニス系というとちょっと違うかもしれないが、ブルースを通ってきたロックシンガー特有のヘヴィーな味わいをこの若さで持っている。しかも16歳ゆえの柔軟さもある。決勝ステージが誰と誰になるかはわからないが、そのどっちかがアリソンになるんではないかと予測する。
そういえば、ルックスも徐々に垢抜けてきたような感じ。シーズン6ジョーダンもこういう感じだったっけ。
スコット・・・・「Just The Way You Are」 ビリー・ジョエル を選曲。唄だけを聴かせるためにはピアノかギター弾き語りが最強。しかもスコットのようにソフトな声質の場合は、バックの音が薄い場合の方が断然生きる。楽器一台バックは文字通り打ってつけ。審査員と聴衆の興味を唄だけにフォーカスさせたという点で大成功。
しかし、ピアノ弾き語りだけで構成するステージとしては、正直不満を感じてしまった。まず曲の和音構成が微妙に違うと思う。原曲のテンション系コードをシンプルな和音に置き換えすぎて、曲の良さがイマイチ生きなかった。後半からテンポを速めたのは意図してのものだと思うが、これも荒っぽく聴こえてしまった。
マット・・・・「You Found Me」 THE FRAYを選曲。キーが低すぎる出だしだったが、それ以外は問題なかった。シャウトするマットを聴けたのもなかなか新鮮だった。ファルセットで音程をかなり外したりもしたけど、パフォーマンス内容は悪くない。しかし審査員の言うとおり彼の良さを引き出せない選曲であることも間違いない。何週か前のコールドプレイに続いてのロック系の選曲。マットのロックへの熱い思いはわかった。しかしこのロックへの片想いを諦めないと、優勝という蜜月がどんどん遠ざかってしまう。しみったれるなよ、マット!
リル・・・・「I Surrender」 セリーヌ・ディオンを唄った。しかしこの考え抜いた挙句に辿りついた選曲を、サイモンに事も無げにダメ出しされるっていうのが気の毒だ。「アップテンポの曲は避けた方がいい」という、前回の審査員の助言を取り入れての今回の選曲でもあったのだと思う。
♪I surrenderーーーー♪と長く音を伸ばす部分で何回か音を大きく外したりのミスはあったが、全体的には非常にレベルの高い歌唱だった。しかし確かにサイモンの言うように古臭い、というか普通の正統派ポップバラードな感じがした。
どうでもいいが、最後に子供を出したのは・・・・意図したわけじゃないだろうが、姑息だ(笑)
アダム・・・・「Play That Funky Music」 ワイルドチェリーを選曲。圧巻。サビの最後の「Play that funky music till you die」の超低音部「die」の音をきちんと出せるのも驚異的な音域を誇るアダムならでは。エンディングのフェイクでは数オクターブを行き来して完璧に決めた。自分の広い音域を縦横無尽に使えるキーの設定といい、原曲のテンポを思いきって落としてゆったりめなフェイクしやすいスピードに変えたアレンジといい、随所が計算されつくしている。毎週毎週自分の持てる技を全て繰り出してオンパレードするので、アダムはいつでも凄いのである。本当に自分を知り尽くしている。
課題の”ハート不足”はほとんど解消されていないが、とにかくそれ以外の面が今回は見事すぎた。
クリス・・・・「Aint No Sunshine」ビル・ウィザーズを選曲。 最後のファルセットは外してしまったが、翳りのあるバラードを切々と抑揚豊かに唄えるという彼の持ち味が、ますます徳永英明と被ってきた。唄い終わった後の余韻をしみじみ味わえるっていうのは、本格派の証。この歌心だけを取り上げれば、「凄い!・・・・」で終わってしまうアダムでは逆立ちしても敵わない。ここから攻めれば優勝も見えてくると思う。今シーズンでもっとも心に残る歌を唄えるのはクリスかスコットだろうし。

今週はなんといってもクリス。今なお私の中の余韻は醒めやらない。それと同点首位がアダム。豪華絢爛技術博覧会に圧倒された。この後に続くのはアリソンとスコット。この4人が現時点でのTOP4と呼んでもいいかもしれない。ダニーは審査員受けがよかった。リルも内容的には賞賛されるべきパフォーマンスだった。アヌープはインパクトが無かったし審査員受けも悪かった。
しかしこんなことをいちいち書くまでもなく、今週の脱落者予想はぶっちぎりでミーガン。競馬で言えば、1頭だけ馬群から何十馬身も離されてタイムオーバーの大差でシンガリ負けしたようなものだろう。ごめんねミーガン。今週もひどい事を書いてしまったよ。でもねミーガン、いつかわかる日が来るよ。そしてその時に・・・・君は俺と恋に落ちるのさ。

落ちねーよ!

と突っ込みながら過ぎる和やかな休日のひとコマですか?

昨夜の放送時間はは取り込み中でほとんどまともに見れなかったので、日曜午後1時頃からの放送を見てからのレビューとなってしまいました。更新が遅くてすみません!

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posted by tsサイモン at 15:09| Comment(4) | TrackBack(0) | 番組レビュー シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月23日

シーズン8 #24 「Week 11 results 10 > 9」〜寂しい!スティーヴィー・ワンダーも人間だったのか・・・・

思えばあれは前ぶれだったのか・・・・森田健作さんが千葉県の知事に当選したその日に、私が超絶天然ボケをかまして「森田健作さんが千葉県の市長に」という意味不明の言葉を口走った。そうしたら今度は千葉市の市長が逮捕かよ・・・・私は疫病神だったのかもしれない。
そういえば、「今年は俺のミーガン、私のアレクシスで行きたい」と公言した翌週にアレクシスがまさかの脱落・・・・さらに先週私が一番手評価したマット・ジラウドが今週まさかのボトム2入りしてしまえば、tsサイモン疫病神説はもはや動かしようがない。
マットのパフォーマンスは私の中ではイマイチ評価だったが、審査員には好評だった。しかし得票数がビリニ。その原因はなんだろう?全米お茶の間に、私と同じような感想を抱いた視聴者が多かったのだろうか?(←それでもボトム2はありえないか!)それともマットがどことなくダサイからだろうか?真剣な票もオフザケな票も浮動票も、全て同じように一票としてカウントされるがゆえの予測不可能な部分がある。これからも首をかしげる結果にたびたび遭遇するかもしれないので、慣れてないお方は今から心の準備万端でご覧あれ。
実際落ちたのはマイケル・サーヴァーだった。落ちるなら先週か先々週だろうに、とは思う。よりによってベストパフォ−マンスを見せた後に落ちるとは・・・・というのも実はアメリカン・アイドル的には恒例だったりする。マイケルの場合は審査員受けが最悪だったから、それがストレートに票に響いたのだろうか?
そしてマイケルが得票数最下位を告げられた後に、今週もやって来たギブミーワンモアチャンス・パフォーマンスの時間。その時にカーラが真剣に聴き入っていたね。そして「いいパフォーマンスよ!」って・・・・遅いよ!昨日ちゃんと言ってあげなよ・・・・
さて先週私は、アレクシスがジャッジセーブを賭けて渾身のパフォーマンスしている時に、「審査員たちがベラベラ話して議論しているフリをしているだけで、パフォーマンスを真剣に聴いていない」と書いた。もしも私の記憶が確かならば、その前の週のresults show 「13 > 11」でジャスミンとホルヘが唄っている時も、やはり審査員たちは寄り合って検討中のシーンを演じていたと思う。その時も、いちおう私は奇異には感じていた。でも、アメリカン・アイドルでこういうシチュエーションを見るのが初めてっていうのがあったから、こういうもんなのかなあ・・・・と思って右から左へ受け流した。ちゃら ちゃっちゃっ ちゃらっちゃ〜という鼻歌を交える事も勿論忘れなかった。しかし、その翌週に私のアレクシスが目一杯力みながら必死の形相でパフォーマンスをやっている最中も、審査員たちは先週とおんなじ形式で寄り合いをやっていた。そして、さすがに「おやっ?」と思ったわけだ。
こういうふうに感じたのは私だけではなかったに違いない。全米の視聴者のあいだでも疑問の声が上がっていたんだと思う。二つの耳に全神経を集中してちゃんと聴かなければ、パフォーマンスの的確な審判など下せない。きちんと審査をするなら、四人の審査員全員が真剣に一音漏らさず聴き入った後で、別に時間を設けて結論を出すべく討論し合うというのが普通だろう。審査中に延々と言葉を交し合うのはどう考えても不自然だ。
ということで、今日のresults showでは四人の寄り合い中止。ポーラが踊り、カーラが険しい眼差しでステージを凝視する(そう、この目だよ!これが審査する目だよ!)。途中で立ち上がったランディとサイモンが耳打ちし合う。まあまあまともな審査風景に改善されていた。
番組を見る限りでは「得票数最下位のコンテスタンツが最後にもう一度パフォーマンスをして、その内容次第でセーブジャッジを適用してコンテスタンツを救出するか否かを決定する」という事になっているようだ。しかしこれはあくまでも番組を盛り上げるための表向きの口上であろう。ラストパフォーーマンスの内容は関係ないはず。実力・人気・将来性を総合的に判断して、番組として絶対に落としたくないコンテスタンツを救うはず。何度も繰り返し書いているけど、一歩間違えば番組をぶち壊しにしてしまう危険な新ルール。リスクを負うからには、よっぽどの理由がなければセーブジャッジは発動されないと見る。

さて、今週のパフォーマンスゲストは超豪華な顔ぶれ。Togetherを唄ったシーズン2優勝のルーベン・スタッタードはまあ普通なんだけど、そのあとの登場が御大スモーキー・ロビンソンと元天才少女ジョス・ストーンのソウル充満デュエット。スモーキーもさすがに寄る年波には勝てないか、ところどころ音程がふら付いてしまう部分があった。何せ御年70歳だからねえ。それでも出だしなんかは圧巻で、やっぱりモノが違うんだよ全然違うんだよっていうのを見せつけるところが凄かった。ジョス・ストーンは20代前半とは思えない貫禄。ジョスだと知らなければベテランシンガーが唄っているようにしか見えない。これは逆に損してる部分もあるんだろうなあ。
そして今日登場したもう一人の御大スティーヴィー・ワンダーは、今年まもなく還暦を迎えるんだよね。おそらく私の世代にとって、スティーヴィーほど神がかったアーティストはいなかったと思う。創造力・歌唱力・独創性・ヴァイタリティー・演奏力のどれもが人間離れしていた。本当に神が降りてきて曲を作ってるんだろうなあ・・・・いや、スティーヴィーが神なんじゃないかとしか思えないような奇跡の傑作だらけだった。全盛期のライブパフォーマンスでは、唯一無二の美声と彼独特の複雑でクリエイティヴな節回しをレコードそのままに完璧にエネルギッシュに唄い演奏した。
こんなエピソードもあった。ある年の日本公演で、演奏中に彼のドレッドヘアーから煙が上がった。ライティングか何かで髪の毛が焦げて、焼けてしまったらしい。しかしスティーヴィーはそんなことは気にせず、髪の毛に火をつけたまま1曲唄いきってしまった。本当にもう何から何まで人間離れしていた。
だから、こんな唯一神スティーヴィー・ワンダーがライブパフォーマンスであからさまなミスするなんていうのは、想像すらできないことだった。しかしさすがに60歳を迎えようとするスティーヴィーに、全盛期の歌声はなかった。天上まで突き抜けるかというあの声が抜け切らないシーンを見るなんて・・・・息を持たせるのに苦労していたし、こんなに頼りなげなスティーヴィー節を聴いたのは初めてだ。
スモーキーの全盛期を、私は原体験として知らない。しかしスティーヴィーは知っている。スモーキーは「年のわりに」という断りをつけて誉める事はできても、スティーヴィーにはできない。神には神のままでいてほしかった。寂しさがこみ上げてくるステージだった。
そういえば3年か4年くらい前に、海外フォーラムでこんな話を聞いた。アメリカでメジャーな音楽賞(グラミーじゃなくて他の賞だったと思う)のアトラクションショーにスティーヴィー・ワンダーが登場した。そこで、大きく音を外したまま数小節を唄った。。あのステーィヴィーが音を外した、ということで結構話題になったらしい。その時のスティーヴィーはかなり酔っ払っていたらしい、ということだった。
しかし、もしかしたらその時も、酔っ払っていたのだけが原因だったのではなかったのかもしれない。

しゅんとなってしまった・・・・

こういう時には、DJ KAORIのヤケクソ英語でガハハと笑わせてもらうに限る。今日の日本版アメリカン・アイドルのゲストは趣向を変えて、タワーレコードのバイヤー白神氏。売り場にアメリカン・アイドル・コーナーを作って、結構盛り上がってるそうな。嬉しいことである。氏の優勝者予想はスコット。なかなかしぶい読みだと思う。

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posted by tsサイモン at 21:54| Comment(3) | TrackBack(0) | 番組レビュー シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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