2009年03月04日

マイクに乗る声 or 乗らない声

このブログの中で私がよく使う言葉のうち、もしかしたら耳慣れない人にとってはかなりわかりにくいかなあという表現をピックアップして解説するコーナーを始めました。「アメリカン・アイドルについてダラダラ語ろうか」を「アメダラ」と略して「アメダラ基礎知識」と名づけたコーナーの第一回目は、「マイクに乗る声 or 乗らない声」。

いちばん最近で私がこの言葉を使ったのは、#2 Week1 Audition Kansas City の放送回で最後に登場したリル・ラウンズのアカペラ・パフォーマンスを評した時。審査員四人とも全て大絶賛だったが、私は98%Yes。たしかにいいんだけど手放しで絶賛するほどではないなあと感じた。だから必然的に私は「なんでこんなに審査員受けしてるんだ?」と疑問を持った。リルという女性は、とにかく声量が際立っていたと感じたので、もしかしてマイクに入らない状態の生の声が凄いんだろうか?と推理した。
私たちがTV放送で聞けるあらゆる音声は、全てマイクを通して発信・録音されている。だから私たちが聞いているコンテスタンツの声は、マイクを通した声。一方で審査員四人は同じ一室でオーディション参加者たちと相対して、歌声をその場のナチュラルな空気の振動だけを通して聞いている。ようするに、生の声をそのまま聴いている。目の前で生で唄ったら凄い声。でもそれをマイクを通して録音して電気的に増幅してTV放送で流したら、そこそこいいんだけどそんなに凄いとは思えない声。少し劣化。じゃあ、リル・ラウンズの声はマイクに乗らないのかも?と私は考えたわけだ。
自然界に幅広い帯域の音が混在するように、人間の声も人それぞれにさまざまなバリエーションの声を持っている。顔の骨格やパーツ・体格・その他もろもろの個人個人特有の肉体的要素が反映されて、その人の声ができあがる。そんな複雑な響きを持つ人間の声を、一介の録音機材であるマイクが全てそっくりそのまま拾えるわけではない。周波数や音の強さによって拾える音と拾えない音が出てくる。だからマイクで録音された歌声というのは、本来鳴っている歌声のあっちこっちをカットされまくったり、特定の周波数が強調されまくったりした状態の歌声なのだ。
そういうプロセスを経て本来の生声から変形されて収音された時に、劣化するどころか数倍にも魅力を増して聞こえる声がある。それが「マイクに乗る声」だ。また、マイクに収音しても全く印象が変わらず魅力を失わない声もある。それも一種の「マイクに乗る声」と言っていいと思う。
だから基本的に、プロの歌手はメジャーになればなるほどマイクに乗る声でなくては商売にならない。CDやレコードなどの録音物も、TVラジオなどの放送メディアも、大ホールでのコンサートやLIVEも、全て私たちの耳に届くのはマイクを通した歌声だけ。
だからたまに贔屓のビッグネームが小ホールでLIVEをやる時は、行けるのなら絶対に行くべきだ。昨年のエリオット・ヤミン@ビルボードライブも、めちゃくちゃおいしかったはず。ステージに近い席の人は、エリオットの生声もある程度は堪能できたのではないかと思う。
ちなみに私の中でのおいしいLIVEベストワンは、18 or 19年くらい前に見たジャニス・イアン@CLUB24YOKOHAMA。普段はちょっと気の利いたアマチュアをがんがんブッキングしているライブハウスで、何故か往年の天才少女が来日公演やってくれたもんだから、凄すぎて死にそうでした。最前列のテーブル席に陣取ってゆったり座りながら、すぐ目の前の1m先でジャニスがAt Seventeen やJesse、Love Is Blindをギターやピアノ弾き語りで唄ってくれた・・・・あんなゴージャスなLIVEには二度とお目にかかれないでしょう。

それでは、ジャニス・イアンが天才少女ぶり全開で全米ヒットチャートを席巻していた正にその頃のオーラ漂いまくる貴重なLIVE映像を発見したので最後に流しましょう。American Idolコンテスタンツにもいつか唄ってほしい名曲中の名曲「At Seventeen」。



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posted by tsサイモン at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | アメダラ基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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