2009年06月14日

シーズン8 #39 「Week 19 2 finalists」

ついにやって来た決勝ステージ。泣いても笑っても今日で最後。アダムもクリスも全力でぶつかれ!Yeaaaaaaaaah!
今日は両コンテスタンツが三曲ずつ唄う。一曲目、二曲目、三曲目でそれぞれテーマが設定されている。
一曲目 今シーズン唄った曲
二曲目 番組製作者サイモン・フラーが選んだ曲
三曲目 カーラが共同制作したオリジナル新曲

この三種類のお題を全てこなして、7000人の観客と全米視聴者を魅了するのは果たしてどっちだ!?

一曲目対決「今シーズン唄った曲」
アダム・ランバート・・・・「Mad World」ティアーズ・フォー・フィアーズを選曲。TOP8で唄った時は、計算されつくしたステージ演出力に度肝を抜かれたものの、歌唱そのものがあまりピンと来なかった。そして今回も印象は変わらなかった。ステージ演出こそ変えてきたものの、シンギングパフォーマンスの内容に関しては、前回好評を得たものをそのまま再現した感じ。無難にこなした。
クリス・アレン・・・・「Ain't No Sunshine」ビル・ウィザーズを選曲。(私の曖昧な記憶によればw)よりアコースティックだった前回よりもドラムスが強調されたロック風味のアレンジ。その中で前回以上に存在感を増した歌声。課題だったファルセットでの音程の揺れも、ほとんど問題ないくらいに修正されてきた。
前回の焼き直しに終わらず、ブラッシュアップした唄を聴かせることができた。

バラード対決の軍配は、前回をより上回ったパフォーマンスのクリス優勢。

二曲目対決「番組製作者サイモン・フラーが選んだ曲」
アダム・ランバート・・・・「A Change Is Gonna Come」 サム・クックを選曲。アダムのベストパフォーマンスかもしれない。彼のように超絶ワイド音域を誇るシンガーがR&Bクラシックを唄うとどうなるか、私は想像した事がなかった。そして結果は、とてつもなく広大な広がりを持つ銀河スケールの鬼MEGAビッグバラードが出来上がった。こういう歌世界を、私は初めて聴いた。
先週苦言を呈した中低音無視も、今回はしっかり修正してきた。感情の乗りも十分だった。今日この曲を唄ったアダムは、アメリカン・アイドル史上最もクリエイティヴかつ完全無欠なシンガーだった。
クリス・アレン・・・・「What's Going On」 マーヴィン・ゲイを選曲。ランディは「軽い」、そしてサイモンは「お気楽」と批判的だった。しかし私はすごく感心した。
この曲は歌詞に重いテーマを含んでいる。それを軽い感じで唄われるというのが、特に黒人のランディには気に入らなかったのだと思う。たしかに曲のメッセージ性が十分に表現されなかった懸念がある。しかし英語の歌詞をダイレクトに理解せず、洋楽を純粋に音楽として楽しむ日本人の私にとっては、クリスによる軽快なポップ解釈がひたすら心地よかった。メロディーを完全にクリステイストで消化しきっていた。

円熟した達人芸を縦横無尽に駆使しながらクリエイティヴワールドを創り出す芸術家アダムを向こうに回して、クリスが声と歌心だけで真っ向勝負を挑んだ二曲目対決は見ごたえがあった。結果はほぼ互角ながら、僅差でアダムが優勢。

三曲目対決 カーラが共同制作したオリジナル新曲「No Boundaries」
アダム・ランバート・・・・ベストパフォーマンスをもう一発。最後のファルセットがごくわずかに外れたが、そんなことはどうでもいい。持ち前の幅広い音域と豊富な技が次から次に炸裂。カーラには悪いが、イマイチな仕上がりの原曲をアダムの技と柔軟な解釈で、ここまで聴ける唄に仕上げてしまった。新感覚ポップスを創りあげた。シーズン5からアメリカン・アイドルを見てきたが、新曲オリジナルをこのように見事に唄いこなしたコンテスタンツはアダムが初めてだ。
ライアンがピッチ云々を指摘していたが、あまりに些細な音程の乱れを問題にするべきではない。人間が歌えば音程が微妙にずれるのはあたりまえだ。
確かにAメロからサビへ移る展開部分、一回目のサビの一部分、その後にサビをリフレインして盛り上がったところをチルアウトする部分等で、若干音程が乱れる部分があった。それを指して「最高ではなかった」と評するのは正解。
しかし、そんな些細な音程の乱れが問題にならないほど、いい部分が素晴らしすぎた。二曲目と三曲目のパフォーマンスで、オリジナリティー溢れるシンガーとしてのアダムを嫌というほど印象づけられてしまった。貶すのではなくて、誉めるべきパフォーマンスだ。
クリス・アレン・・・・この曲を共同制作したカーラが「視聴者は今の曲でクリスを判断しちゃだめね」と語っていた。内心「しまった!」と思ったのだろう。音域が広すぎてアダムに有利、逆にクリスにとっては不利な曲を作ってしまった。
ランディーの指摘にあるようにキーが高すぎた。しかしあれ以上落としたら、低い音域から始まる前半部分が唄いきれたかどうか微妙。現在のキーでも相当に唄いにくそうだった。
さらにクリスは、原曲のメロディーの良さを前面に押し出したアレンジと歌心で、ここまで好パフォーマンスを創り出してきた。しかし今回は過去の名曲ではなくて、カーラが共同制作した中途半端な出来の普通の曲。といっても売れっ子カーラが関わった曲だから、決して悪い曲ではない。ケリー・クラークソンのアルバムに入っていそうな、それなりにいい曲ではある。しかしクリスが唄ってきた珠玉のメロディーとは相当に開きがある。クリスが気分を乗せきる事ができなかった面もあったのではないか。
手本がないオリジナル新曲を唄いこなすためには、豊富な経験と柔軟な楽曲解釈力が必要。歴代のTOP2が概ね苦戦してきた中で、クリスはこれでもかなりやれた方。いかんせん相手が悪かった。アダムが業師すぎた。やはりこのテーマでは、アダムが圧勝してしまった。

一曲目対決はクリスが制したものの、二曲目三曲目でアダムが高い総合力を見せつけて連取。二対一でこの勝負アダムの勝ち!と私は予想する。第8代アメリカン・アイドルは、きっと超人アダム!

さて、今回FOX JAPANスタッフが一ヶ月前に現地に飛んで決勝戦を特別取材していた。その内容は
1.アダムとクリスどっちが勝つか?アンケート
2.来場のAI出身者にズームイン!レポート
それなりに楽しめる内容だった。特にパリスの変貌ぶりにはびっくりした。結婚して出産して母親になったのだから当然といえば当然だが、あのプリンセスPが・・・・
しかしいただけなかったのは、AI出身者をつかまえては片っ端から「FOX JAPAN No.1!」をやらせてしまったこと。

FOX JAPAN No.1と言わされた人たち ・・・・アダム マット ジャスミン 私のアレクシス 俺のミーガン アヌープ ブレイク・ルイス ホルヘ

皆さん、本当に申し訳ありませんでした!

日本版アメリカン・アイドルは、ブラザー・コーンがゲスト。DJ KAORIとのダブル進行てな感じになっていた。DJ KAORIはポップス関連の知識不足みえみえだから、やはり進行にはミュージシャンが絡んだ方がいい。

いよいよ明日はグランド・フィナーレ!果たしてアダムが勝つのか?それともどんでん返しか?オーラスへGO!

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posted by tsサイモン at 08:25| Comment(9) | TrackBack(0) | 番組レビュー シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
心の中をclearにして2人の曲を聴きました。圧巻だったのはアダム。そして、彼という存在がありがなおかつ、今までのperformanceを通じて成長したと感じるクリス。2人の素晴らしいfinalでした。個人的には、朝でも、昼でも、夜でもスーッと心地よく聞くことが出来そうなクリスの声が良かったです。特に、彼の2曲目は私的には今の時代の感性にぴったり(素人だけど)だったと思いました。軽やかな感じ結果は解らないけど、クリスに1票!かな。
Posted by ぷ at 2009年06月14日 13:42
私もAdamの選曲には疑問。先攻だったらもっとパワーとテクニックで出し抜くべきでは?と思いました。2曲目は彼のレンジの広さが遺憾なく発揮されて、オペラ声楽かじってただけあるなと感じさせる安定感もありましたね。
KrisはJamie Foxxも言ってたけど決してoutsingしないで曲と歌詞に真摯に真っ直ぐ取り組んでるから、すーっと聴衆の心に染み入るんですよね。tsサイモンさんの仰る通り音楽ってメッセージだけじゃなくてもっと五感や右脳で感じるものなんだなあと認識させてくれるアーティストだと改めて思いました。
Posted by 飴愛 at 2009年06月14日 14:23
3曲を聞き終わった感想は、演歌(アダム)対ポップ?(クリス)
すいません、音楽のジャンルも英語も解んないど素人です(^^;
う〜ん、カーラの歌を唄ったアダムは音痴に聞こえました。(−−;
クリスは高音部がいっぱいいっぱいだったけど、良い曲に聞こえました。
これが1曲目にきてたらもっと声が出てたろうなと思います。
う〜ん、うまく気持ちが書けません…得意分野の最終決戦??
畑が違いすぎて…

S7のダブルデヴィットの時は、凄い盛り上がりに見えたんですが
今回はタンタンと終わった感じと、審査員がアダム優勝と決め付けた発言
雰囲気に気分が悪かったです。

アダムファンなんですが…(;^_^ A フキフキ
Posted by アビー at 2009年06月14日 19:08
>ぷさん
私も同感です。クリスの声は本当に抵抗なく入ってきますよね。「What's Going On」よかったですよね!

>飴愛さん
アダム、一曲目に「Whole Lotta Love」やってほしかったですねえ。三曲も唄うから、最初を比較的喉に負担の少ない曲にしたんでしょうかねえ?
実際、二曲目三曲目で凄いことやってたので、そのために喉を温存したのかもしれませんね。

クリスの声には強烈な引きの強さみたいなものがありますよね。
まあ、私の場合は、もう少しちゃんと左脳を使わなきゃいけないなあっていうのもありますが(笑)

>アビーさん
アダムが演歌なんですか?うーん、言われてみると、ど迫力熱唱とこぶし回しが演歌に似てなくないと言われれば、ある意味そういう部分も無きにしも非ずかもしれませんね。

淡々と終わったんですかねえ?私は特にアダムファンっていうわけではないんですが、今日はアダムがあんまり凄くてすっかりシビレてしまいました。
しかし、逆にアダムファンのアビーさんからすると、もしかしたらいつものアダムと違ったんでしょうかね?

決めつけといえば、前シーズンも、アーチュレッタ優勝を確実視するような発言がありませんでしたっけ?
実際私もアーチュレッタ優勝で間違いないと思ってましたが(笑)
Posted by tsサイモン at 2009年06月14日 20:51
クリス優勝
それは視聴者が圧倒的に女性多数だから、そして、若い視聴者は時間があるから何回も何回も投票するからだと思います。
視聴率が上がるほど女性候補者は不利になっていくと思います。

そう思いませんか?
Posted by ビバ at 2009年06月14日 23:23
喉の温存>確かにそうかもしれません。Adamはかなりの戦略家だと思います。インタビューでも“全体のモードに逆らって敢えて意表をつくパフォーマンスを選んできた”って言ってましたし。3曲を通して一つの物語性を持たせたかったのでしょうね。

二人とも「NO BOUNDARIES」はかなり苦戦したって本人たちが答えてました。リハなんかボロボロだったそうです。サビ部の息もつかせぬ高音の連続、ギュウギュウに詰まった歌詞、ダメ押しの最難関Cメロ。プロテクターあってもつっかえたくらいですからねえ。
Posted by 飴愛 at 2009年06月15日 01:54
tsサイモン様

ずっと楽しく拝読してきました。
特に、音楽への愛に溢れ、かつニュートラルでポジティブな分析、番組を見る上でとても参考になったし、気持ちもよかったです。
ありがとうございました。

決勝としてはちょっと不完全燃焼でした。
1曲くらいは新たに好きに選べる曲があってもよかったのでは?

アダム、アメアイに求められる好青年像をまっとうに演じてきたけれど、
最後は彼らしく'Mad World'のメッセージ性にこだわった。
同じこだわりをもって彼の魅力を冒頭効果的に表現する上では、
ファイナルの出発点だったMJの'Black or White'でもよかったような。
下手すればカラオケ地獄のMJに正攻法で挑み、もしや歌唱はMJ以上ではと思わせた圧巻のパフォだったから。

アメアイの全編を楽しみましたが、DJケオリの的はずれなコメント、?な英語とファッションだけはちょっと(苦笑)。

最終回の「クリスの今っぽい音楽が若い人の圧倒的な支持」も全くピントのずれた分析。
若いユーザーが多いiTunesのダウンロードやコメント数では優勝が決まるまでアダムがはるかに優勢だったし、ネット上の人気投票もそう。
むしろクリスのどの世代にも好感度の高い声や歌、中部の保守的なキリスト教支持層、とりわけ地元アーカンソー州の圧倒的な支持が彼をアイドルに押し上げたわけで。
若い女の子たちに圧倒的な人気のKaty PerryがAdam Lambertとマントに刺繍して登場したことで、彼女に眉をひそめるPTAの反感を買ったのもアダム敗因の一つなんて分析もあるくらい。

音楽について、現地の情勢について、何の勉強もしていないんじゃないかと思われるケオリさんには
来年は交替してもらいたい、ときっぱり。

本家サイモンも「全く珍しいほど」とまで言った二人の青年の人柄の良さ(音楽性はもちろん)が本当に爽やかでした。

長々とすみません。
tsサイモンさんに感謝。
Posted by chacha at 2009年06月15日 06:18
>ビバさん
確かにおっしゃるような側面はありますよね。
若い女性だけに、好き嫌いがはっきり。好きなコンテスタンツのためには時間とエネルギーをいくらでも費やして投票したりキャンペーンを張ったりするでしょう。
注目すべきことは、クリスがそれほどまでに若い女性ファンを夢中にさせてしまった事だと思います。声とルックスとハートで彼女たちを虜にしてしまった。正に「アメリカン・アイドル」だと思いませんか?

視聴率が上がるほど女性候補者は不利になっていくかどうか?については、一概に言えないでしょう。事実、今シーズンよりも視聴率が高かったと思われるシーズン6は女性のジョーダンが優勝。TOP3も女性2人男性1人でした。
女性コンテスタンツの場合は、同性票を集められるかどうかに掛かっているでしょう。先のジョーダンは同性からすかれるタイプでした。男性からより多くの支持を集めるタイプの女性コンテスタンツは、苦戦すると思います。
Posted by tsサイモン at 2009年06月15日 07:39
>飴愛さん
3曲を通して一つの物語性、ですか。興味深い考察ですね。ステージパフォーマンスをあれだけ練りに練りまくるアダムなら、その舞台演出家的スタンスから、物語性を考えそうですね。
「NO BOUNDARIES」は、ほんと難しそうな歌ですよね。歌唱力を引き出すためにわざとそうしたのかもしれませんね。カーラ・・・・鬼ですね!(笑)

>chachaさん
とてもご丁寧に、温かいお誉めの言葉、どうもありがとうございます。

アダムが「Mad World」に込めたメッセージですか。なるほど、そういう捕らえ方もできますね。
アダムのステージでの目配せが、恐ろしいほど落ち着いていましたね。いつも冷静沈着。ミュージカル俳優でもあるし、あの好青年ぶりが大部分演技の可能性っていうのは十分ありえそうですね。
とにかく、いろんな意味でプロフェッショナルな男です。

クリスのあの謙虚さは、敬虔なキリスト教支持者からすごく好かれそうですね。圧倒的な支持を集めるっていうのはとても納得です。

DJ KAORIは、まあ、彼女なりによくやっていたのではないかと思います。そもそもクラブ系の人間にこの番組のナヴィゲーターを任せても・・・・結果はわかりきっているようなものでしたからね。何よりも人選が間違ってたと思います。
それに・・・・シーズン6を引っかき回したあの人たちに比べれば、ノープロブレムですよ!(笑)
アメリカン・アイドルのナヴィゲーターは、今までは毎年変わってましたから(シーズン7はナヴィゲーター無しでしたが)、来年続投はまずないんじゃないでしょうか。まず、ご安心ください!(笑)

また書き込んでくださいね!
Posted by tsサイモン at 2009年06月16日 22:42
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