2009年05月05日

シーズン8 #28 「Week 13 results 8 > 7〜これが新ルールの威力だ!」

昨日のテーマが「生まれた年に流行っていた曲」ということで、サイモンが生まれた年に大ヒットした曲のミュージックビデオが流れた。だけど、馴染みのない顔と馴染みのない声。誰だこのオッサンは?シナトラじゃないし、、ビング・クロスビーじゃないし、ポール・アンカでもニール・セダカでもない。
ビデオが流れた後に今現在の本人が登場した。そしたら今度は尚更わからない。すっかり年老いているから、顔を見てもイメージがぜんぜん沸かない。生唄を披露しているがあんまりうまくないし、歌手じゃないのかなあ・・・・と思ってしまった。首を傾げているうちにパフォーマンスが終了した。そしてここでようやく往年のスターと思しき人物の名前が紹介された。この人がフランキー・アヴァロンだったのか。
といっても、私はほとんど名前しか知らない。唄っていた曲は1959年の全米No.1ヒット「Venus」だった。日本でいえば、フランク永井、三橋美智也、春日八郎、三波春夫が出てくるようなもんか。なるほどそのような年代なら、フランキーがまともに唄えなくてあたりまえだ。
しかし上で挙げた日本人スターは全て故人。同時期に活躍して未だ健在な小林旭のように、他にもまだ今日も在命な1959年のスターはいないか?と思って調べたら、ペギー葉山、ザ・ピーナッツ、こまどり姉妹。みんな女性だった。女の方が生命力が強いっていうのは、本当に本当なのだ。

その生命力の強さで復活した(←というほどの年ではないが)かつての女性アイドル歌手カイリー・ミノーグの大ヒット曲「Can't Get You Out Of My Head」がコンテスタンツ全員で唄われた後に、前回放送時に時間切れでカットされてしまった審査員のアダム評について言及される時間があった。昨日スタンディングオベーションで手放しに絶賛の意を表明したサイモン以外の3人、カーラ、ポーラ、ランディの口からそれぞれ寸評が述べられた。そしたら、みんなベタ誉め。気持ち悪いくらいな絶賛の嵐。ここまでアダムに毎回注文をつけている私は、狐につままれた感じだった。
特定のコンテスタンツに視聴者の人気が集中した場合に、番組サイドがそのコンテスタンツをプッシュするっていうケースはちょくちょくある。最も得票数を得たコンテスタンツ=最も人気があったコンテスタンツが優勝するこの番組のシステムを考えると、もしも番組サイドが批判的だったコンテスタンツが優勝した場合に制作側のメンツが立たなくなってしまうからだ。
前シーズンの決勝ステージで、アーチュレッタと優勝を争っていたデヴィッド・クックのパフォーマンスにあまり冴えが感じられず、最後の曲でもやたらに地味な選曲をしてしまった。パフォーマンス後に両者のパフォーマンスを総評したサイモンは、「(完璧なパフォーマンスをした)アーチュレッタはここに勝つためにやって来た。」と発言した。これは、暗にクックが勝負を捨てた事への手厳しく批判でもあった。そしてアーチュレッタの優勝宣言まで出してしまった。しかし結果は、デヴィッド・クックの逆転優勝。その結果発表の直前に、サイモンが異例の批判撤回コメントを出した。「家に帰って改めて見直したら、昨夜のクックのパフォーマンスは私が言ったほど悪くなかった。明らかに言いすぎた。謝る。」という感じの内容だった。
iTunesで今シーズンコンテスタンツによるカバー楽曲ダウンロードも始まっているので、その売れ行きを見ればどのコンテスタンツに人気があるのか一目瞭然。私はダウンロードチャートを見てないのでなんとも言えないが、アダムのMP3が断トツで人気がある可能性は高い。そしてその場合は「優勝するのはアダム」と番組は読むかもしれない。それゆえのあからさまな大絶賛の嵐だったとしたら、ちょっと萎える。
いやいや、単純に私がアダムの声をイマイチ受けつけないだけなのかもしれないので、そこらへんはなんとも言えないが。

さて、注目のボトム3発表は、アヌープ、スコット、リルとなってしまった。リルとスコットは予想どおり。アヌープは、まずますの出来だった昨日のパフォーマンスでのボトム3入りというのががなかなか辛いところ。この中で最初に戻されるのはアヌープかスコットだろうと思っていたが、先に脱出したのはリル。これは少し意外だった。そして残されたのがアヌープとスコット。まさかスコットが得票数最下位か?・・・・と思ったら、本当にそうなってしまった。
キリスト教社会におけるハンディキャッパーへの慈愛精神を考えると、アメリカ視聴者のスコットに対する支持は根強いものがあるのではないかと予測していた。しかし、現実はもっとシビアだった。
今回のスコットのパフォーマンス不評の原因ははっきりしていた。選曲と戦略を間違えてしまったことだった。これらさえ修正すれば、この先コンペティションを勝ち抜くポテンシャルをスコットが備えているのは明白だった。今シーズンも中盤に差し掛かったあたりだが、早くもジャッジズ・セーブの期待さえ抱かずにおられない場面に遭遇した。サイモンも、スコットが救われる可能性が十分あることをほのめかした。果たしてジョーカーは切られるのだろうか?
スコットのラストパフォーマンスが始まった。ギターを持たずにステージ中央に立っていた。完璧な唄い出しだった。前半は全く文句ない最高の出来。サビに入る手前で力んだのか一箇所発声が崩れた。サビに入った後にも一箇所裏声で音を外してしまった。二回だけミスをした。それ以外はほぼ完璧だった。何よりも前半が素晴らしすぎた。
パフォーマンス終了後にサイモンが言った。「二対二で意見が真っぷたつに割れている。」
ということは、状況は厳しい。審査員4人ともに全員一致しないとジャッジズ・セーブが発動できないのだ。二対二では無理。
サイモンが言っていた。「他のコンテスタンツの力量との兼ね合いを考慮しなくてはならないので、なかなか結論しづらい」
それは全くの正論であり事実だ。しかし、たとえばリルやアヌープと力量を比較するなら、スコットは救われて然るべきだと思う。
しかし、やっぱりジョーカーは簡単に切れない。視聴者投票結果を公然と覆してしまうのは、できるなら番組としてはやりたくない。公正性を台無しにしてしまうリスクが大きすぎるからだ。
と、かねてから私が思うとおりの結果になってしまった。スコット救済されず。しかたないんだ、スコット。君はよく頑張った。
「新ルールが導入された真の目的は、リアリティーショーとして番組を盛り上げるためなのではないだろうか」と以前に私は書いた。そして今回、実際にその効果を目の当たりにした。”審査員全員一致でなければスコットは救われない。しかしそれでも、スコットならもしかしたら・・・・”という心情が私の中に湧き上がっていた。最後の審判となるサイモンの審査結果発表の場面では、固唾を呑んだ。
これが新ルールの威力だった。

それにしてもスコットは前向きで気丈な青年だ。昨夜のパフォーマンス後の審査員とのやり取りで

審査員: 「スコット、なんでよりによってエレキギターを持ったんだい?」
スコット: 「僕のパンクサイドを見せたんだ」
審査員: 「パンクサイド・・・・(苦笑い)」

私も聞いていて、なんという寒い冗談を言ってるんだスコット・・・・と思ってしまった。しかしこれも、実はスコットのポジティブさを示すエピソードなんだって思う。ハンディキャップがあるから、普通に暮らすのにもいちいち障害が付きまとう。それを日夜あたりまえのように克服してきたスコット。そして選び抜かれた人たちしか踏めないステージに立って、厳しい戦いをここまで勝ち抜いてきた。ただでさえタフな神経が必要なのに、ハンディキャッパーなら尚更だ。これからもその折れない心で、スコットは人生に真っ向から立ち向かうだろう。そしてアメリカン・アイドルを通じてスコットという存在を知ったアメリカ国民が、これからもずっと彼を暖かく見守り応援してくれるだろう。

今日のゲストパフォーマンス一人目は「Right Round」を唄ったフロー・ライダー。この曲のオリジナルであるデッド・オア・アライブの「You Spin Me Round」が大ヒットしたのが、もう今から20年以上も前になってしまったのか。
その後、この曲は何度もカバーされているので、今さらここでオリジナルを紹介するのが少し恥ずかしくもある。しかし当時としてはかなり衝撃的なヴィジュアル+妙に本格的な歌唱力+これでもかというくらいに完璧なヒット性の強い楽曲で一世を風靡したこの曲を、私は貼り付けずにおれないのだった。



そしてゲストパフォーマンス二人目は、「Best Days Of Your Life」を唄ったシーズン5第6位のケリー・ピックラー。相変わらず突っ込みどころ満載のヴォーカルパフォーマンスだった。このアバウトさが全然変わってねー(笑)
シーズン5を見てない人たちは「なんじゃこりゃ?なんでこんなのがアルバム2枚もリリースしてしかも大ヒットしてるの?」と思うでしょう。これだけ見ればそのとおり。しかしこのケリー、やる時はちゃんとやる。ピカイチな声質とここ一番での勝負強さと類まれなるキャラクターがあれば、完璧な歌唱力がなくてもスターになれるという良い実例といえる。

ところで日本版アメリカン・アイドルのナヴィゲーターDJ KAORI、このところおとなしすぎてつまらない。もっと何かやらかしてほしい。かつてのド派手なボケを懐かしんでしまう私であった。

*シクラメンさん、小林旭に関するご指摘どうもありがとうございます!いやはや、なんという勘違い。勝手に殺しちゃあいけませんよね。DJ KAORIがすっかり霞んでしまうほど強烈なボケを炸裂させてしまいました(汗)

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posted by tsサイモン at 12:05| Comment(9) | TrackBack(0) | 番組レビュー シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ううう...スコットが落ちてしまった。残念だけどしょうがないですね。これ以上女性が脱落したら、冒頭パフォーマンスがピンキーとキラーズ(古!)になってしまいますもの。
 サイモンさんのスコットへの温かいコメント、まったく同感です。
Posted by AI中毒 at 2009年05月05日 13:13
やはりでしたか、残念でしかたないですね。
でも、クラッシックを聴く人の数の少なさや
コンクールの知名度の低さを考えると悲しいです。
まだ25歳以下で、2回ほどコンクールで賞をもらい、
イギリスに留学をした経験がある上、14歳の時に大学
入学し、19歳で卒業という恐ろしい才能の持ち主で、
次に考えられることといえば、ツアーで演奏すること
なので、もっと若い人たちがクラッシックを演奏できる
場を設けて欲しいですね。
Posted by ahnya 46 at 2009年05月05日 13:56
アダムへのスタンディングオべ(サイモン)
歌が激ウマでなくても演出で評価なら
「ここは歌を競う場」の信念は?と思いつつ
まあ、貴重なシーンだったので流しました
スコットは70〜80年代の匂いがするVoだったので残念ですね。
Posted by narinari at 2009年05月05日 21:43
アメアイ鑑賞の素晴らしいナビゲーターブログですね、洋楽よくわからないながらも番組を楽しみにしているので、とっても参考になります
スコット脱落はほんとうに残念、それはそれとして
1959年生まれの自分としては
「小林旭(あきら)」はまだご健在です(たぶん、このかたのことですよね…)
この当時の歌手としてはアイ・ジョージさんは故人です
余計なことでしたが…
Posted by シクラメン at 2009年05月05日 21:47
>AI中毒
スコット、残念でしたよねー・・・・
でも、スコットが残って女性が落ちてしまって、コンテスタンツ全員で「恋の季節」を唄うのを一度聴いてみたかったです。

はい、絶対ありえませんよね!(笑)

>ahnya 46
はじめまして!

クラシック畑で若い才能として頭角を現しているスコットがアメリカン・アイドルに応募してきたというのは、本当にチャレンジでしたよね。
その柔軟で大胆な精神で、クラシックとポップスの中間で活動していく事をスコットには期待したいです。きっと輝かしい未来がスコットの前に開ける予感がします。

>narinariさん
歌の「説得力」は別にして、アダムの歌唱力は今シーズン随一だと思います。ただしスタンディングオベーションは大げさだと思うんですよね。

スコットは本当に残念でした。

>シクラメンさん
はじめまして!

親切にご指摘ありがとうございました!早速本文を訂正いたしました。
情けないポカをやってしまいました。いちおう調べてから書くべきだったです(汗)
何年か前に小林旭さんが亡くなられたものだと勝手に勘違いしていました。日活の大スターを勝手に殺してしまうなんて、私はなんていう奴でしょう・・・・
このような間違った記述をしないように、今後は気をつけます。しかしそれでもまたやってしまうかもしれません。その時はまた、よろしければご指摘をお願いします!
Posted by tsサイモン at 2009年05月06日 02:05
こんばんは、サイモンさん。以前に1度コメントさせていただいたはうこです。今年のAIは去年と似た感じで
レベル的にはそう変わりなく、しかしそれぞれ個性が
違う・・・という感じですね。私もアダムに関しては
サイモンさんと同じで、今だに受け入れられていません。確かに彼は上手いし見せ方を熟知しているし声の音域も苦しがる事無くなんなく出している・・と感じます。でも・・・歌に温度が感じられない、感情とか人間くささとかがまったく感じられないんですよ、ワタシ。サイボーグが歌っているような・・・。前回の審査員の大絶賛も理由がわからずです。上手さから言えば確かに突出しているとは思いますが、ワタシ的にはこのままアダムが優勝となると若干納得が行かないかな〜〜という感じで毎週見ています。(アダムFUNの方ごめんなさい・・)勝手な意見を長々失礼いたしました(^0^:)
Posted by はうこ at 2009年05月08日 22:27
はじめまして、サイモンさん。こんにちわ。AIファンを捜し求めてここへたどり着きました。素晴らしい音楽の知識と洞察力と批評眼をお持ちですね。AI見終わった後読むととっても楽しいし、勉強になります。
ところで話が全く変わるのですが、ニュースをご覧になりましたでしょうか。去年の覇者デヴィッド・クックのあの脳癌のお兄さん、アダムさんが今週亡くなられてしまいました。デヴィッドの心中を察すると、とても悲しくてやりきれないですね、、、。弟の成功を見られたのは幸せだったのか、はたまた運を使い切ってしまったからのでしょうか、、、。ご冥福をお祈りします。
Posted by 飴愛 at 2009年05月09日 01:23
スコット脱落、残念でした。
夫はスコットの素朴な心が伝わる歌声が好きだったので・・・。
私はハンディキャップを乗り越えて頑張る姿が好きでしたが、ここのところの選曲ミスではそろそろ落ちるのではと思ってました。

でもリルのほうがもっと落ちる要素があったと思うのに落ちなかったのは、もしかして黒人さんが独りしかいないから?などとかんぐってしまいましたよ。
って思うのは私だけ?
Posted by たまぷー at 2009年05月14日 01:59
>はうこさん
お久しぶりです。
アダムは、ダニーやクリスとは正反対のタイプですよね。イマイチ心にグッと来ない・・・・と感じている人は多いようなので、ぜんぜん勝手な意見ではないですよ。これからもざっくばらんに書き込んでくださいね!

>飴愛さん
はじめまして!
「アメアイ」に「飴愛」とは、素敵な当て字ですね!
身に余るお褒めの言葉、どうもありがとうございます。
亡くなられたデヴィッドのお兄さんには、心からご冥福をお祈りします。そしてお兄さんは、弟の成功を見られた後に、幸せに天に召されたと思いますよ。

>たまぷーさん
スコットは残念でしたね・・・・

おっしゃるとおり、コンテスタンツの支持層と人種とは深く結びついていると思います。コンテスタンツは視聴者達にとっては故郷の英雄だったり、同じ民族の代表だったりするわけですからね。そんな強い思い入れを込めて応援している人々がとても多いと思います。
Posted by tsサイモン at 2009年05月30日 11:40
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